東日本大震災から10年、置き去りにしてはならないことは何か――1本の映画から考える
文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda
今回取り上げるのは、TV界で長年ドキュメンタリー畑を歩んできた久保田直が初めて劇映画の演出に挑んだ『家路』(’14)。
ある日突然、故郷を追われ、生業を奪われた家族の物語だ。東日本大震災による原発事故の影響で、仮設住宅での暮らしを余儀なくされ、農家としての誇りまで傷つけられ、苦悩しながらも自らの道を進もうとする姿が描き出されている。「人間らしく生きるとは何か」を問いながら、SDGsの「目標11:住み続けられるまちづくりを」