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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

『あの頃。』に見る松坂桃李の“受け”の魅力

文=SYO @SyoCinema  松坂桃李と今泉力哉監督が初タッグを組んだ『あの頃。』(’21)が、2月にWOWOW初放送される。それを記念し、松坂の出演作品も特集放送。『あの頃。』のほか、『ツナグ』(’12)、『エイプリルフールズ』(’15)、『真田十勇士』(’16)、『娼年[R15+指定相当版]』(’18)『居眠り磐音』(’19)、がラインナップされており、松坂の演技と役柄の幅広さが感じられる作品群と言えるだろう。  2009年の『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下

俺のいる芸人の世界も、ちょっと似てるのかなって。真の芸能人なんて――『あのこは貴族』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は昨年公開されたばかりの『あのこは貴族』ですが、この作品を選んだ理由は何かありましたか? 小沢一敬(以下、小沢)「この前、映画の『浅草キッド』('21)を観たばっかりだったから、門脇麦さんの出てる作品を観たかったの(笑)」 ──門脇麦さん、良い作品ばかり出てますね。この作品はいかがでしたか? 小沢「すごく面白かったから、映画を観た後で、原作小説まで読んじゃったよ」 ──ホントですか。小説版も気になりますよね、映画を観

なぜポル・ポト派は生まれ、なぜカンボジアを掌握するまでに至ったのか――「なぜ」を1本の映画から考える

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で長編コンペティション部門の最高賞であるクリスタル賞を獲得した映画『FUNAN フナン』('18)。  柔らかな絵のタッチとは対照的に、描かれているのは1975年以降のカンボジアにおける、虐殺や飢えに見舞われた過酷な日々だった。カンボジアの経てきた歴史は、今を生きる私たちに何を投げ掛けているのか。SDGsの「目標2:飢餓をゼロに」「目標4:質の高い教育をみんなに」と

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「シネマイーラ」(静岡・浜松)〜

名画や良作を上映し続けている全国の映画館を、WOWOWシネマ「W座からの招待状」でおなじみのイラストレーター、信濃八太郎が訪問。それぞれの町と各映画館の関係や歴史を紹介する、映画ファンなら絶対に見逃せないオリジナル番組「W座を訪ねて~信濃八太郎が行く~」。noteでは、番組では伝え切れなかった想いを文と絵で綴る信濃による書き下ろしエッセイをお届けします。今回は静岡・浜松の「シネマイーラ」を訪れた時の思い出を綴ります。 文・絵=信濃八太郎 音楽の街、浜松の映画館を訪ねる 「