マガジンのカバー画像

映画のはなし シネピック

179
新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

WOWOWオリジナルドラマ「松尾スズキと30分の女優2」とセットで読みたい4冊!

    WOWOWオリジナルドラマ「松尾スズキと30分の女優2」 大人計画主宰、シアターコクーンの芸術監督、コントの名手・松尾スズキが毎回ひとりの女優とがっぷり四つに組んで繰り広げる至極のWOWOWオリジナルコントドラマ「松尾スズキと30分の女優2」。今回、登場する女優たちは、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希の4人。それぞれの女優の持ち味を最大限に活かす予測不能な至極のコントをお見逃しなく!      3月13日(日)午後11時より 4週連続で放送・配信 まずは

『地獄の花園』の永野芽郁が“最強”な理由——親しみやすさ+ハイカロリー演技!?

文=SYO @SyoCinema  カッコいい、美しい、面白い、演技がうまい……。人気俳優には、それぞれ視聴者や観客が魅了される特性が備わっている。ここ5~6年ほどでスター俳優へと上り詰めた永野芽郁においては、俳優としての“華”はもとより「応援したくなる度」が圧倒的な印象だ。観る者が思わず好きになってしまう親しみやすさと、純度の高い真っすぐな演技。今回は、そうした永野の魅力と、それを逆手に取った『地獄の花園』('21)を紹介する。  自分が永野芽郁という俳優を明確に認識し

『オザは、このときどんな気持ちだったの?』って聞かれたとき、俺が言った一言もこれだった。それが俺のやり口なの(笑)――『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回はフランス映画をチョイスしていただきました。 小沢一敬(以下、小沢)「うん、すごくいい映画だと思うし、面白かった」 ──今回もよろしくお願いします。 小沢「まず最初に俺が気になったのは、ピアノ演奏のシーンで。実は最近キーボードを手に入れてさ、今年のお正月ぐらいからピアノの練習をしてるのよ。練習っていっても、気持ちの上で、なんだけど」 ──気持ちの上で、とは? 小沢「いや、それは1年後に『全然できなかったじゃん!』っ

“赤狩り”から“ダイバーシティ”の流れまで――アカデミー賞は「時代を映す鏡」だ。

 いよいよ3月28日(日本時間)に開催予定の「第94回アカデミー賞授賞式」。アカデミー賞はシンプルに素晴らしい作品、映画人に賞を授与することが名目だが、その歴史を振り返れば、各時代の“鏡”になっていることがよく分かる。その時々の社会問題にハリウッドが敏感に反応し、受賞者や受賞作、さらに授賞式に大きな影響を与えてきたからだ。今回は映画専門ライター/ジャーナリストの斉藤博昭さんに、授賞式をもっと深く楽しむために、アカデミー賞はいかに時代の“鏡”であり続けたかという側面で歴史を振り

動物と共に生き、向き合う上での倫理とは?――1本の映画から学ぶ

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、片野ゆかのノンフィクション『北里大学獣医学部 犬部!』(ポプラ社刊)を原案とし、篠原哲雄監督が実在したサークルを描いた映画『犬部!』('21)。  獣医学部生たちや動物保護に関わる人々の葛藤を通して、保護犬や保護猫、殺処分を巡る問題を描き、「命」に向き合うこの作品を、SDGsの「目標12:つくる責任 つかう責任」の視点を交え考えていきます。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 小学校の

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「福山駅前シネマモード」(広島・福山)〜

名画や良作を上映し続けている全国の映画館を、WOWOWシネマ「W座からの招待状」でおなじみのイラストレーター、信濃八太郎が訪問。それぞれの町と各映画館の関係や歴史を紹介する、映画ファンなら絶対に見逃せないオリジナル番組「W座を訪ねて~信濃八太郎が行く~」。noteでは、番組では伝え切れなかった想いを文と絵で綴る信濃による書き下ろしエッセイをお届けします。今回は広島・福山の「福山駅前シネマモード」を訪れた時の思い出を綴ります。 文・絵=信濃八太郎 広島・福山へ 広島県尾道か