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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2022年3月の記事一覧

長年アカデミー賞の行方を追い続ける“オスカーウォッチャー”Ms.メラニーが提案! 異例尽くしのアカデミー賞を100倍楽しむ!

 いよいよ3月28日(日本時間)に開催予定の「第94回アカデミー賞授賞式」。今回は、この授賞式の見どころを、長くアカデミー賞を追い続け、「なぜオスカーはおもしろいのか? 受賞予想で100倍楽しむ『アカデミー賞』」の著者でもあるMs.メラニーさんが解説します。 文=Ms.メラニー @mel_a_nie_oscar  今年のオスカーは面白い。何が面白いかって、まず濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(’21)が、「作品賞」「監督賞」「脚色賞」「国際長編映画賞(旧・外国語映画

【驚きのビフォー&アフター】歴代受賞作に見るアカデミー賞「メイク・ヘアスタイリング賞」

 いよいよ3月28日(日本時間)に開催予定の「第94回アカデミー賞授賞式」。今回は、アカデミー賞全23部門の中から「メイク・ヘアスタイリング賞」にフォーカスを当てたコラムをお届け。アパレル業界から映画ライターに転身し、『オードリーに学ぶおしゃれ練習帳』などの著作を持つ清藤秀人さんに、歴代の受賞作品について、その驚きのビフォー&アフターをご紹介いただきました。 文=清藤秀人 @hidetokiyotoh 「メイク・ヘアスタイリング賞」のはじまり  アカデミー賞全23部門の中

菅田将暉が醸し出す“リアリティ” ―演技のテクニカル面を超えた凄(すご)み

文=SYO @SyoCinema  菅田将暉×2021年は、興行収入約38億円超のヒットを記録した『花束みたいな恋をした』(’21)に始まり、彼の真骨頂である“嗅覚”をひしひしと感じさせられる1年だった。  『キネマの神様』(’21)で大御所・山田洋次監督の薫陶を受け、『CUBE 一度入ったら、最後』(’21)ではカルト的な人気を誇るスリラーの日本リメイクに挑戦。写真家・森山大道のドキュメンタリー映画『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』(’20)

西野は素敵なやつだし、そんな西野が作ったこの作品も、やっぱり素敵な映画だよ。――『映画 えんとつ町のプペル』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、キングコングの西野亮廣さんが原作、脚本、製作総指揮を務めた『映画 えんとつ町のプペル』ですが、小沢さんは初見だったんですか? 小沢一敬(以下、小沢)「いや、映画館でも観たよ。だから、途中から思い出したの、『あ、これ、めちゃくちゃ泣ける映画だったわ』って。そういえば最初に観たときにも驚いたんだけど、プペル役の声優が窪田正孝君で、ルビッチ役が芦田愛菜ちゃんだって、全然分かんなかったよね。アントニオ役の伊藤沙莉ちゃんとかも」

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「kino cinéma立川髙島屋S.C.館」(東京・立川)〜

名画や良作を上映し続けている全国の映画館を、WOWOWシネマ「W座からの招待状」でおなじみのイラストレーター、信濃八太郎が訪問。それぞれの町と各映画館の関係や歴史を紹介する、映画ファンなら絶対に見逃せないオリジナル番組「W座を訪ねて~信濃八太郎が行く~」。noteでは、番組では伝え切れなかった想いを文と絵で綴る信濃による書き下ろしエッセイをお届けします。今回は東京・立川の「kino cinéma立川髙島屋S.C.館」を訪れた時の思い出を綴ります。 文・絵=信濃八太郎 中央

どんな人間であったとしても、もう一度人生を「生き直す」権利はある――バラ作りの映画から読み解く思い

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、バラ育種家の主人公が、素人3人を頼みの綱に、世界最高峰のバラ・コンクールに挑んでいく映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』('20)。  のどかなバラ園で繰り広げられるドラマから、SDGsの「目標8:働きがいも経済成長も」「目標16:平和と公正をすべての人に」を考えていきます。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 「家族の絆」という型からこぼれ落ちてしまい、そんな自分を責め続けている人もい