映画好きの皆さんの気になる作品は? 7月のWOWOW初放送映画 厳選3作品
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映画好きの皆さんの気になる作品は? 7月のWOWOW初放送映画 厳選3作品

 映画アドバイザーのミヤザキタケルが、各月の初放送作品の中から見逃してほしくないオススメの3作品をピックアップしてご紹介! これを読めばあなたのWOWOWライフがより一層充実したものになること間違いなし!のはず...。

文=ミヤザキタケル @takeru0720

 今月は、青春、家族ドラマ、少し大人のラブ・ストーリーと、タイプの異なる3作品を紹介します。

『思い、思われ、ふり、ふられ(実写版)』(’20)

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ささいな誤解によって想いが擦れ違う男女4人の恋模様

 咲坂伊緒原作の人気少女漫画を、三木孝浩監督×人気若手俳優出演で実写映画化。想いを寄せる朱里(浜辺美波)と、親同士の再婚によりきょうだいになってしまった理央(北村匠海)。そんな理央に片思いしている自分に自信のない由奈(福本莉子)。由奈の幼なじみの和臣(赤楚衛二)。同じマンションに住み、同じ高校に通う男女4人の擦れ違いや恋模様、夢に向き合うさまを描く。

 映画を観ようと思ったとき、それが少女漫画原作であると知った時点で候補から外してしまう人もきっといるだろう。けれども、本作をその考えで観ないというのはもったいない。そもそもの設定が「少女漫画っぽい」とツッコミたくなるかもしれないが、それすら吹き飛ばすフレッシュで魅力的なキャストが、ドラマが、青春が、理屈では推し量ることのできないあふれる感情が、きっとあなたの心をつかんでくれるはず。

 いくつになっても人は恋愛で悩むもの。高校生の恋愛模様とはいえ、劇中で目にするやりとりは、恋愛におけるあらゆる駆け引きが詰まっている。キュンキュンするというよりは、“四者四様”の恋模様に共感し、自身の恋愛と重ねたり、思い出したりすることだろう。何より、彼らが抱く葛藤は、大人が抱くものと変わらない。むしろ、10代というまだ無垢(むく)で純粋な彼らの心模様を介して目にする分、ストレートに響くものがある。

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 大人になれば良くも悪くも賢くなる。打算的に物事を考え、割り切ることにも慣れていく。そんな器用さを高校生の彼らはまだ持ち合わせていない。だからこそ、全身全霊で目の前のことに悩み、苦しみ、あがき、真正面からぶつかっていく。その真っすぐな姿は、大人のあなたにまぶしく映るに違いない。気付けば彼らの一挙手一投足から目が離せなくなっていくだろう。


『WAVES/ウェイブス』(’19)

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31の名曲が彩る極上の人間ドラマ

 『クリシャ』(’15)、『イット・カムズ・アット・ナイト』(’17)の新鋭トレイ・エドワード・シュルツ監督作。裕福な家庭で何不自由のない生活を送る、レスリング部で活躍する高校生タイラー(ケルヴィン・ハリソン・ジュニア)。しかし、肩の負傷や恋人の妊娠を機に状況が一変。やがてタイラーだけでなく一家は悲劇に見舞われる。1年後、心を閉ざしていた妹エミリー(テイラー・ラッセル)は、すべての事情を知った上で歩み寄ってきたルーク(ルーカス・ヘッジズ)と恋に落ちていくが…。カニエ・ウェスト、レディオヘッド、エイミー・ワインハウスなど、31曲に及ぶ有名アーティストの楽曲が物語を彩り、さまざまな問題で揺れるきょうだいの心模様を、2部構成で映し出す。

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 寄せては返す波のように、人の心はいつだって揺れ動くもの。穏やかな気持ちでいられる時もあれば、怒りや憎悪に駆られ荒れ果てる時もある。幾多の感情が訪れ、成功や失敗を繰り返す中で多くを学び、われわれは成長する。その道理が分かっていればこそ、一見幸福に見えるタイラーが置かれている状況の異質さに、胸が締め付けられるだろう。

 良かれと思い、父が息子にしていたこと。それは、息子の揺れ動く感情の波を抑え込み、心の海原にダムを設置していたようなもの。成功しか許されず、学校でも家でもスパルタ指導で、唯一心を解放できる恋人との時間にも亀裂が生じ、やがてダムは決壊する。自ら得た教訓にこそ最大の価値があり、他者に押し付けられた教訓では限界があることを見せつけられる。

 そんな兄の姿を経て映し出される妹の章では、教訓を得ることや教訓を伝えること以上に大事なことがあるのだという可能性が示される。それは、穏やかな時も荒れ狂う時も、他者の波に寄り添い、共に漂ってあげられること。エミリーとルークの関係性が、その道理を示してくれる。兄が得られなかったものを、歩めなかった道を、多くの失敗や挫折や後悔を経て、彼女は突き進む。そんな登場人物たちの葛藤や心の声を代弁するかのごとく流れる数々の名曲が、より深く作品の世界へとあなたを浸らせてくれることだろう。

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『きみの瞳が問いかけている』(’20)

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吉高由里子と横浜流星がW主演した純愛劇

 チャールズ・チャップリンの名作『街の灯』(’31)をモチーフにしたソ・ジソブ、ハン・ヒョジュ共演の韓国映画『ただ君だけ』(’11)のリメイク作。吉高由里子演じる事故で視力を失った明香里、横浜流星演じる格闘家の道を諦めた塁。小さな勘違いから出会った2人は徐々に惹かれ合い結ばれるも、明香里がある秘密を打ち明けたことを機に、避けては通れぬ過去の出来事と対峙していくことになる…。

 恋愛、盲目、格闘技、裏社会…ドラマチックな要素が多く、展開も分かりやすい作品だが、絶妙な塩梅でリアリティをキープしているのは、前述の『思い、思われ、ふり、ふられ』を含め、数々の青春恋愛映画を手掛けてきた三木孝浩監督の手腕によるところも大きい。また、視力を失った人の生活を垣間見せてくれる吉高、極真空手の世界大会で優勝経験を持ち、本作のためにキックボクシングのトレーニングと10kg増量した横浜という、難役に挑む俳優たちの演技力にも心を動かされる。丁寧に描かれる明香里と塁の出会い、惹かれ合っていく描写には、圧倒的な魅力が備わっている。

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 それぞれに心を縛り付ける過去を持ち、互いにひとりではどうすることもできずにいた明香里と塁。支え合うことのできる相手と巡り会えたからこそ、新たな道を模索するすべを見いだしていくのだが、向き合わなければならない過去が2人を翻弄していく。

 過去は変えられない。その事実を受け止め、過去の自分を戒め、今ある自分を受け入れ、より良き未来を模索する。明香里と塁の出会いを通して描かれていくのは、“今”を生きるため、2人だからこそたどり着ける“未来”を見つけるための物語。多くの山場がある見どころたっぷりの「純愛」にきっと満足感を得られるはず。

 高校生の青春ドラマ・きょうだいの人間ドラマ・大人の純愛ドラマと、それぞれジャンルは違っていても、人が生きていく上で大切なものを見据えた3作品とともに、7月も素敵なWOWOWライフをお過ごしください。

ミヤザキさんプロフ

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クレジット
『思い、思われ、ふり、ふられ(実写版)』:©2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 ©咲坂伊緒/集英社
『WAVES/ウェイブス』:©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
『きみの瞳が問いかけている』:© 2020 「きみの瞳が問いかけている」製作委員会

緊張しながら投稿しているので嬉しいです!ありがとうございます!
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