『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『アンモナイトの目覚め』『アジアの天使』映画好きの皆さんの気になる作品は? 4月のWOWOW初放送映画 厳選3作品
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『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『アンモナイトの目覚め』『アジアの天使』映画好きの皆さんの気になる作品は? 4月のWOWOW初放送映画 厳選3作品

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 映画アドバイザーのミヤザキタケルさんが、各月の初放送作品の中から見逃してほしくないオススメ3作品をピックアップしてご紹介! これを読めばあなたのWOWOWライフがより一層充実したものになること間違いなし! のはず…。

文=ミヤザキタケル @takeru0720

 今月は、シリーズ第9作となるメガヒット・アクション、世界中の映画祭で注目を集めた実在した女性古生物学者が主人公の話題作、オール韓国ロケで挑んだ石井裕也監督作と、それぞれタイプは異なりながらも、ワールドワイドな展開を見せる3本の作品を紹介します。

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(※初回放送 4/30(土)後1:00、以降リピート放送あり)
『アンモナイトの目覚め』(※初回放送 4/9(土)後10:15、以降リピート放送あり)
『アジアの天使』(※初回放送 4/15(金)後9:00、以降リピート放送あり)

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』('21)

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シリーズ第9作の敵はドミニクの弟! 舞台はついに宇宙へ!

 11作目でのシリーズ完結が発表された『ワイルド・スピード』シリーズの第9作。シリーズ過去4作を手がけたジャスティン・リンが再び監督を務めた。平穏な日々を過ごしていたドミニク(ヴィン・ディーゼル)は、世界中のコンピューターシステムを掌握できる装置を巡る陰謀に立ち向かうべく、ファミリーと共に行動を起こすが、彼らの前に立ちはだかったのは疎遠だったドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)だった。対立する兄と弟、明かされるドミニクの過去。ファミリーの運命やいかに…。

 初期シリーズにおけるもうひとりの主人公、ブライアンを演じたポール・ウォーカーの事故死という悲劇に遭いながらも、ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)やデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)といった人気キャラクターも増え、回を重ねるごとに着々と進化を続けてきた本シリーズ。ただ、今回はホブスが不在。デッカードも一瞬のみの登場となり、パワー不足と感じる人もいるかもしれない。が、まるでそれらを補うかのように、さらにパワーアップしてさまざまな新要素や創意工夫がなされているのが、今回の『ジェットブレイク』だ!

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 ジェイコブの登場により、これまで語られることのなかったドミニクの過去が描かれキャラクターの深掘りがなされており、本作のドラマ部分を彩っていく。そして、設定上は平穏な生活へと戻ったブライアンの妻でありドミニクの妹であるミア(ジョーダナ・ブリュースター)と、死んだと思われていたかつての仲間ハン(サン・カン)が再登場。その他にも、ブライアンが健在であることをほのめかす場面、『ワンダーウーマン』('17)などで広く知られるようになったガル・ガドットが以前演じたジゼルの映像が出てくるなど、あらゆる要素がふんだんに盛り込まれている。

 毎度恒例のとんでもアクションも磨きがかかり、世界中のあらゆる国を縦横無尽に走り続けてきた彼らのフィールドは、ついに宇宙空間にまで到達。前述の要素にド派手な映像が組み合わさることで、今回も見どころ満載の大作になっています。

『アンモナイトの目覚め』('20)

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世界中の映画祭で絶賛! 名女優たちが織り成す切なくも美しい愛の物語

ゴッズ・オウン・カントリー』('17)で大きな注目を浴びたフランシス・リーの長編2作目。19世紀に実在した古生物学者にインスパイアされた愛の物語だ。世間とのつながりを絶って暮らす古生物学者メアリー(ケイト・ウィンスレット)。かつて彼女の発掘した化石は一世を風靡したが、封建社会のため、女性である彼女の名はすぐに忘れ去られ、今は土産物用の化石を発掘して生計を立てている。ひょんなことから、メアリーは裕福な化石採集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を預かることになるが、美しく可憐で奔放、何もかも正反対のシャーロットにいらだち、冷たく突き放してしまう。しかし、自分とあまりにかけ離れたシャーロットに次第に惹かれていき…。

 フランシス・リー監督の存在をあなたはご存知だろうか。長編映画デビュー作『ゴッズ・オウン・カントリー』をご存じない方にとっては、初めて耳にする名かもしれない。40代にして映画作りを始め、撮った3本の短編はどれも国際映画祭で受賞を果たしており、『ゴッズ・オウン・カントリー』はベルリン国際映画祭をはじめ、数々の映画祭で高い評価を獲得。本作は満を持しての長編2作目である。

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 実在したイギリスの古生物学者メアリー・アニングは、男性優位の社会の中、独学で古生物学を学び、13歳にしてイクチオサウルスの化石を発見する偉業を成し遂げながらも、女性という理由だけで、その名が本や論文に刻まれることはなかった。そんな彼女の人となりや恋、葛藤を、本作は独自の解釈で描いている。だが、無責任に彼女の人生を脚色しているわけではない。監督は、今は亡きメアリーの想いを尊重し、時代背景から多くを想像し、あり得たかもしれない可能性を創造し、不遇の中でも懸命に生き抜いたであろう彼女の心に寄り添った上で、この物語を作り上げたのではないだろうか。

 まるで化石を発掘するかのごとく、心の奥底に押し込めていた感情を少しずつ掘り起こしていくかのように、美しく繊細な恋模様が描かれる本作。その恋模様に共感できる瞬間が多分にあふれるからこそ、障壁となっていく時代ゆえのしがらみや、現代にも残る差別、偏見が際立ち、僕らに多くを訴えかける。結末をどう捉えるかは、目にする方の心や価値観次第。あなたの目には一体どのように映るでしょう。

『アジアの天使』('21)

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池松壮亮×オダギリジョー! オール韓国ロケで挑んだ石井裕也監督最新作

舟を編む』('13)、『生きちゃった』('20)の石井裕也監督が、オール韓国ロケ、95%以上のスタッフ&キャストが韓国人という環境で挑んだ人間ドラマ。妻を病気で亡くした剛(池松壮亮)は、8歳のひとり息子を連れて兄の透(オダギリジョー)が暮らす韓国へ渡る。剛に斡旋できる仕事があると言っていた兄はその日暮らしの貧しい生活を送っており、早々に事業も失敗。どん底に落ちた3人は、活路を見出すためソウルからカンウォンドへと向かう列車に飛び乗る。そこで、同じように人生に行き詰まった韓国の三兄妹と巡り合い…。

 悲観的な物の捉え方かもしれないが、僕は基本的に人と人は分かり合えないと思う。だからこそ、いつまで経っても戦争はなくならず、国家間のいさかいにもケリがつかず、身近な人たちとさえ衝突を繰り返してしまう。それでも、ある程度平穏に日々を過ごせているのは、文化・法律・教育・言語など、数多くの「共通認識」があるからに他ならないのではないだろうか。しかし、その「共通認識」がもしも失われてしまったら、僕たちは一体どうなってしまうのか。また、どういった「共通認識」であれば、より深く分かり合うことができるだろうか。その可能性を見る者に突き付け、相互理解へと至る道を模索する時間を与えてくれるのが本作である。

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 韓国語も話せず、その文化も知らず、兄がいないとまともに韓国人とコミュニケーションも図れない剛。つまり、「共通認識」がまったくない環境へと足を踏み入れる。そんな中、剛たちが偶然、行動を共にすることになった韓国の家族と徐々に心を通い合わせ、互いに特別な「共通認識」を見出していく姿から、多くのことが見えてくる。本作は、あらがいようのない厳しい現実を示しながらも、僕たちには分かり合える余地があることや、どうしたらその可能性をより大きくしていけるのかを、わずかな希望と共に綴っていく。

 他者に寄り添うことや歩み寄ることはできても、“理解”することは難しい。妻をがんで亡くした剛と、母をがんで亡くした韓国の兄妹たちがそうであるように、同じような経験があって初めて分かり合えることもある。すぐに理解し合うことは難しくても、宿る善意を否定する必要まではない。寄り添い、歩み寄ろうとした果てに、理解し合える何かが生まれる可能性だってある。本編で明かされる本作のタイトル“アジアの天使”が意味するところ然り、異国の地で翻弄されながらも変化していく剛や周囲の人々を目にすれば、きっとそんな風に思えるに違いない。重い題材を扱いながらも、ユーモアに満ちあふれ、笑える場面も多々あるおすすめの作品です。

 アクション・恋愛・人間ドラマとジャンルは異なれど、大切な人と向き合っていくさまを描いた3作品と共に、4月も素敵なWOWOWライフをお過ごしください。

ミヤザキさんプロフ20210917~

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クレジット
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』:(C) 2020 Universal City Studios Productions LLLP. All RIGHTS RESERVED.
『アンモナイトの目覚め』:(C) 2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation and Fossil Films Limited
『アジアの天使』:(C) 2021 The Asian Angel Film Partners

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