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8月11日(日・祝)放送・配信「槇原敬之 Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season ~Yesterday Once More~」WOWOW収録チームのこだわりをお届け!【前編】

去る5月23日に東京国際フォーラム・ホールAで開催された『槇原敬之 Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season ~Yesterday Once More~』東京公演の模様が、WOWOWで8月11日(日・祝)に放送されます。1990年代をテーマに、近年あまり演奏されなかった曲もたくさん披露されたコンサートです。

 

番組を制作したのは、『槇原敬之 Concert Tour 2022 ~宜候~』に続き、(株)WOWOW音楽事業部プロデューサー/ディレクターの松井菜穂さんと撮影監督の勝田正志さんを中心としたチームです。今回のコンサートをどのように映像として記録し、演出したのか。松井、勝田のご両人に加え、629inc.のテクニカルプロデューサー/チーフビデオエンジニアの山田尚彦さん、カメラマンの渡邉研司さんの4人にお話を聞き、まずは役割についてご説明いただきました。

 

2年前と同様、松井さんと勝田さんがコンサートを下見に行き、お互い何を感じたかを話し合うところからスタート。「どういう作品にしたいか、方向性をまず決めて、そこからどんな機材を使うか、どう配置するか、どのカメラマンにお願いするかを具体的に決めていきました」(勝田さん)。松井さんが欲しい画(え)、求めるイメージを伝え、勝田さんが具現化する手を考える、という役割分担があったそうです。

 

コンサート当日、二人は収録ベースに陣取って、総勢18人のカメラマンたちに指示を出します。カメラマンは各々役割を割り振られ、ある人は定位置で、ある人は二人の指示に従って会場内を移動しながら、ステージ上だけでなくリハーサルや客席の様子までくまなく撮影。それを素材として松井さんが編集を重ね、ひとつの作品にまとめ上げていくわけです。


出来上がった作品を見た人がおそらくみんな強い印象を受けると思われるのは、前作と同じく観客のさまざまな表情がふんだんに盛り込まれていること。映る時間は短いけれど、ステージの上にいる槇原さんとバンドメンバーに負けず劣らず雄弁に「ストーリー」を語っている感触がありました。もうひとつ印象に残ったのが、色や光などの映像美です。その両面を担っているのが山田さんと渡邉さんなのです。

 

「僕は撮影以外の技術のまとめ役です。勝田さんが立てた撮影プランに沿って機材を決めて、予算を立てて松井さんに提案し、カメラマン以外のスタッフを集めます。カメラマンをサポートする撮影助手とか、色や絞りを調整するビデオエンジニアとかね。プラス、ビデオエンジニアも兼任しているので、色味のセッティングもしています。ガンマカーブという明るいところから暗いところまでのトーンを決めて、それをカメラにセッティングするところをコーディネートしたり」(山田さん)

 

技術に不案内な私がきょとんとした顔をしていたら、松井さんが「いろんな種類のカメラが入っているんです。それぞれ違って、色鉛筆とクレヨンと水彩みたいに『色を出す』ぐらいの共通点しかないんですが、そのいろんなカメラで撮った映像を違和感なく統一してくださったのが山田さん。本当にすごい方なんです」と説明してくれました。シネマレンズを根本から設計思想が違う放送用のシステムカメラに装着したり、今年3月に発売された最新のシネマカメラに40年前のオールドレンズをつけて、コンサートのテーマに沿ったヴィンテージ感を出したりしているそうで、色味や質感に齟齬が生じかねないところを、魔法のように調整してくれているのだとか。

 

山田さんは「最近はカメラがすごく高精度になって、パラメーターがかなり細かく設定できるので、色調とかカーブを合わせて、なるべく違和感がないように収め、カメラマンの気持ちになりながら、編集でカラコレ(色の調整、色の装飾)をしやすいようなベース作りを心掛けています」と涼しい顔で話してくれましたが、松井さんは「色で表現幅が大きく変わるので、カラコレをしやすいベースをつくっていただくと、クリエイションにかけられる時間が増やせるのでとてもありがたいんですよ」と山田さんのすごさを強調してくれました。


「僕は勝田さんに呼ばれたいちカメラマンとして現場で撮影していたんですが、役割がちょっと特殊というか……だいたいみなさんポジションが決められて、収録ベースに画を送りながら勝田さんと松井さんの指示を聞いて動くんですけど、僕は収録ベースに画は送らず、カメラだけ持って自由に移動しながら最初から最後まで撮るんです。『遊軍』ってよく言われますね」(渡邉さん)

 

松井さんが「お客さんの画、お客さん越しのステージ画などのストーリーがある画を撮ってくれたのが渡邉さんです。収録ベースでは渡邉さんが何を撮っているかわからないので、編集する段階になって、びっくりと感動を繰り返しながらつないでいます」と補足し、勝田さんは「完全に自由演技。松井さんと僕が組むときには必要不可欠な、すばらしいカメラマンです」と称賛します。

 

4人それぞれのお仕事内容は多少なりともおわかりいただけたでしょうか? 後編では座談会形式で、撮影中のエピソードや松井ディレクターをはじめとするみなさんの本作への思いなどを語っていただきます。お楽しみに!

 後編はこちら!

取材・文:高岡洋詞

【番組情報】
槇原敬之 4カ月連続特集

Photo by 四方あゆみ

槇原敬之 Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season ~Yesterday Once More~

8月11日(日・祝)午後8:00~ WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~2週間アーカイブ配信あり


コンサートではあまり披露されなかった楽曲を中心に構成した「TIME TRAVELING TOUR」の第2弾!
今回のテーマは「1990年代」。 

 

槇原敬之 Music Video Collection

9月放送・配信予定
およそ2年ぶりの全国ツアーをスタートするなど精力的に活動する槇原敬之。
彼の楽曲の中からえりすぐりのミュージック・ビデオをお届けする。

 

槇原敬之 CONCERT TOUR 2002 ~Home Sweet Home~   

10月放送・配信予定
2002年3月に東京厚生年金会館で行なわれた槇原敬之のライブの模様をアンコール放送・配信する。

 

Noriyuki Makihara Christmas Concert'08 ~PLAY for PRAY~   

11月放送・配信予定
槇原敬之、10年ぶりの伝説のクリスマス・コンサート復活!
2日間のみのプレミアム・コンサートのファイナルの模様をアンコール放送・配信!

【槇原敬之×WOWOWのオリジナルグッズの発売が決定!】

槇原敬之 4カ月連続特集を記念して槇原敬之×WOWOWのオリジナルグッズの発売が決定いたしました。
“TIME TRAVELING TOUR”をご自宅で再現できるアクリルスタンドです。
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