あらゆる人の人生と深く結び付く「映画の力」を感じてほしい ―早川千絵監督に聞く ~映画愛でつながる~【WOWOW×あなた】CM制作秘話
WOWOW映画の“多彩さ”は今も昔も変わらない
実は、2018年まで10年ほどWOWOWの映画部で働いていたこともあって、映画部の方々がどれだけ映画を愛していて、どれだけ映画に対する強いこだわりを持っているかというのも知っていました。
WOWOWで働いているときから感じていたことですが、放送する映画の“多彩さ”がWOWOWの強みの一つではないかと思うんです。ここ数年で「配信」というサービスに時代が移り変わり、何千タイトルという映画を好きなときに好きなタイミングで見られるようになった中、WOWOWは、大作から、知る人ぞ知る名作、さらにミニシアターでしか上映されていない映画や、DVD化されてないような作品、廃盤になってしまった作品もまんべんなく放送している。働いていた当時、「あ、この作品も放送するんだ!」と、興奮しながらラインナップを眺めていたのを覚えています。
今は、外からWOWOWを見ていますが、その“多彩さ”を変わりなく続けていて、これはすごいことだなって思っています。
CMは「すごくいいものができる!」という直感があった
今回のCM制作について最初にお話をいただいたときは、「映画に特化したCMを作らせてもらえるなんて、こんなに楽しいことはない!」と思いました。ただ、「映画っていいものですよね」と言うだけでは何も伝わらない。WOWOW映画のいいところや強みをCMでどう伝えればいいのか…。難しい課題だと思いましたが、同時に、「うまくいったらすごくいいものができる!」という直感もあって。二つ返事で引き受けました。
その後、担当のスタッフさんとやりとりする中で、WOWOWの取り組みを色々とヒアリングさせていただきました。そんな中で「あなたの映画館」に寄せられたメッセージを読ませていただいたときに、「ここにヒントというか、宝がある」と。
「私たちってこんないいところがあるんです」ではなくて、映画を愛している視聴者の方々にご出演いただいて、そのエピソードをお話ししてもらえたら、CMを見たほかの視聴者におのずと良さが伝わるんじゃないかと考えました。一方で、果たして「CMに出たい」と応募してくださる視聴者の方がどれほどいるのだろうか? という不安も…。当初は、20〜30人の応募があれば…なんて思っていましたね。
本当は全員のエピソードを撮りたかった!
ふたを開けてみると、全国からたくさんの応募をいただいて。うれしかったですが、出演者の決定にはとても悩みました…。どの方も、映画作品そのものの思い出というより、その映画にまつわる思い出と密接につながっていて、素敵なエピソードばかりだったので。
その中から絞り込ませていただいた31組の方と、5日間かけてリモート面談をさせていただいたんですけど、本当にそれぞれ違った「ストーリー」があって。映画にとどまらず、ご家族と映画の関係などをはじめとし、映画を通して「人生の話」になっていきました。本当に貴重なお話を聞けた5日間でした。
そして、31組から最終的に8組9名の方を出演者に決めましたが、話に優劣なんてないですし、本当は応募してくださった方全員のエピソードを撮りたかったです!
撮影は、WOWOWの辰巳放送センターのスタジオで2日間かけて行ないました。出演者の方には、自分が「出演者」であることを体験していただきたかったので、プロのヘアメイクや衣装合わせもしてもらって。ちょっと特別な体験として、CM撮影のすべてを楽しんでいただきたいという想いがありました。
辰巳のスタジオも実際にWOWOWが番組を作ったり、収録しているスタジオなので、その雰囲気も楽しんでいただけたのではないでしょうか。
出演者の皆さんとは、応募のアンケートやリモート面談でしっかり話を聞かせていただいていたので、お会いするのが楽しみでしたし、初対面でも「とてもよく知っている人」という感じでした。WOWOWで映画に関する業務を行なっている社員さんも駆け付けてくださったり、辰巳のスタジオの皆さんも協力的で、すごく楽しい撮影になりました。
撮影では、1組につき1時間ほどたっぷり時間をかけてお話を伺いました。人の話を聞くのが好きなので、話しているときの表情や様子を見るだけでも楽しいですし、何と言っても皆さん、ご自身の好きな映画の話をされるので、目をキラキラさせてうれしそうに話されるんですよね。
「映画にまつわる思い出」というのは、あらゆる人の人生と深く結び付いている。情熱的で、間口が広く、人々を魅了する「映画の力」を、今回のCM企画を通じて改めて思い知りました。
何度も見たくなるCMが完成!
CMの編集中は、もう、ニコニコしながら何度も繰り返し見ました。出演してくださった方全員がとてもいい顔をして語ってくださってるので、何も知らずに見た方も映画が好きな人の気持ちや、どこか映画がいとおしくなるような感じが少しでも伝わったらいいなと思います。
撮影を終えて思ったのは、ただただ楽しかったという感想しかないくらい(笑)。すべてがうまく回って、WOWOWのいろいろな部署の方に関わっていただき、視聴者の方に参加していただくことが実現しました。完成したCMがすべてではなく、それまでのプロセスが本当にすばらしかったと思います。
今回お話しした方の中で、「WOWOWは、“たまたま流れていた映画がすごく面白い”とか、そういう“偶然の出会い”があるのがいい」ということをおっしゃる方が何人もいて。中でも「WOWOWは世界中から素敵な作品を集めた“セレクトショップ”のようだ」ということをおっしゃった方の意見にはとても共感しました。ただ羅列するのではなく、そこには「この映画を届けたい」という意思がちゃんと働いているし、実際に視聴者にも届いている。ほかにも「WOWOWが(一視聴者の)自分の話を聞いてくれることが、本当にうれしかった」という方もいて、デジタルの時代にアナログな方法でつながろうとする今回の企画は、本当に意味があるものだったなと思いました。
今回の企画で得られた体験や示唆は、私の今後の映画づくりにも活きてくると思いますし、私自身、映画に対する並々ならぬ愛情があるので、またWOWOWと「映画にまつわる面白い何か」を一緒にできたらいいなと思っています。
さて、そんなCMのうちの一つを、こちらの記事でもお見せします。
▼WOWOW映画CM「一人ひとりの映画への思い。」篇
ぜひ、お時間ある時にCMの全バージョンをご覧になっていただきたいです!
▼WOWOWYouTube では【WOWOW×あなた】CM全バージョンが見れる!視聴はコチラから
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