w-inds.最新ライブツアーを12/28(水)午後8:00~WOWOW独占放送・配信!ライブ写真、ライブレポートを公開!
祝デビュー20周年!約3年ぶりの全国ツアーを開催したw-inds.が、最新ライブで表現した過去と現在、未来への決意
黒いエナメルのタイトなスーツに身に包んだ橘慶太、千葉涼平。生バンドが奏でる「In Love With The Music」のファンキーなイントロに乗せ「東京、お待たせしました!」と橘が第一声を放つ。ダンサーを従え、フォーメーションを次々と変えながら歌い踊る二人。階段を備えたセットを駆け登ったり降りたり、ステージの高低差を活かして動き回っては、ダイナミックなパフォーマンスを繰り広げていく。「Strip」では一糸乱れぬ群舞で魅せたかと思えば、「EXIT」では二人だけがステージに残り、ファルセットからハイトーンまで幅広い声色で熱唱。跳ねるリズムが心地良い「Dirty Talk」では、フェイクも交えながら心地良さそうに伸び伸びと、美しいハーモニーを聴かせていく。ライブ序盤は大人っぽくクールな印象が際立った。
「やっぱりライブは楽しいなって。今回のツアーは3年ぶりですから」という橘の言葉に、「有観客ライブはそうだね」と千葉が補足。橘は「声を出せない分、思いきり心で叫んでいただいて。“いいな”と思った際には手を叩いていただいて」と、ファンに伝えた。橘が作詞・作曲・編曲を手掛けたこだわりのダンスナンバー「DoU」では、脚をクロスさせる軽妙な動きに目が吸い込まれる。アコースティックギターのカッティングで幕開けた「YES or NO」では、哀愁を帯びた抑制的なメロディーラインに聴き入った。1曲1曲の高いクオリティーと、完璧な歌唱とダンス。ライブが進むにつれ集中度が増していき、深くw-inds.の世界に引き込まれていく。
この後、ゆったりとしたテンポ感のR&Bナンバーを続けて披露。「Say so long」「If I said I loved you」では、切り替わっていくピンスポットやミラーボールを効果的に用いた照明演出に幻惑された。「Make you mine」では眩いピンクの光が降り注ぐ中、椅子を小道具にした華麗なダンスを披露。橘の柔らかなハイトーンヴォイス、千葉のグルーヴィーなラップに聴き惚れる。成熟した二人の魅力を感じさせるシークエンスだった。
「Sexy Girl」では、ハットをかぶって橘が登場し、ソロパフォーマンスを披露。続く「In your warmth」は入れ替わりで千葉が白い衣装に着替えて登場、情感豊かな歌声を響かせた。「Little」では橘も白い衣装で登場、再び二人がステージに揃い、ダンス無しでしっとりと声を合わせていく。歌い終えてセンターへと揃って歩み出てくると、SNSでサプライズを予告していた、w-inds.のライブでは初となるインスタライブ配信へ。スタッフから一時カメラを受け取ると、二人で代わる代わるお互いを撮影する微笑ましい場面も。追加発売したオフィシャルグッズのエナメルポーチについて、漫才コンビのような息の合ったトークで面白おかしく宣伝して沸かせた。「“夏の終わりを感じようじゃないか”という想いを込めて、2曲をお届けします」(橘)との言葉からまずは「134」を届け、橘はアコースティックギターの演奏も聴かせた。アコースティックギターを置くと次曲「夏空の恋の詩」に繋げると、爽やかな澄んだ歌声を絡ませていく。終盤、歌っている千葉の肩を後ろから橘が抱き、二人でカメラに手を振ってインスタライブは終了。笑いあり、心地良いパフォーマンスありの、豪華なサービスタイムだった。
そのまま「Show me your love」に突入すると、ダンサーチームが再び合流。鮮やかにフォーメーションを変えながら、洗練された群舞を繰り広げた。続けて、明滅する光に照らされながら「With You」をパフォーマンス。最後、静寂の中で橘が歌う<失った物を幾つ 数えても戻らない>というフレーズが、まるで独り言のように脳裏でリフレインする。幾何学的なフォルムの緑色の照明に彩られながら、シンセサウンドと英詞のEDMナンバー「We Gotta Go」がスタート。互いに向き合ってラップしたり、肩を抱き合ったりして繰り広げられる二人のパフォーマンスに、ファンはクラップで想いを送っていた。
声を出せないライブに「ちょっと慣れてきちゃった部分もあるよね。あんまりうれしくないけどね」と橘が苦笑気味に語ると、「順応してるということで。どんな状況でも楽しむことはできるんじゃないのかな?と思いますけど」とフォローした千葉。「涼平さん、ポジティヴですね!」と橘が褒めると客席からは拍手が起きた。オンラインライブも「楽しかった」と二人は声を揃え、初回のオンラインライブ『20XX“THE MUSEUM”』に関しては、「いろいろ試行錯誤して頑張ってつくりあげた」と自負を覗かせた橘。しかし、ファンの書き込みコメントは「涼平頑張った」の連続だったと悔しそうで、「俺は?! なぜ涼平だけ?」と拗ねて笑わせた。千葉が「『涼平頑張った』の裏側には慶太の支えがあるのは皆分かってる」とコメントすると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
橘は、二人体制になったことで歌うパートが増えた千葉の努力を讃え、「ずっとw-inds.の曲を聴いてましたからね」と労った。過去の曲たちを新しい形に生まれ変わらせ、2022年の今ならではの表現で届けてきた今回のツアー。千葉は「僕ら自身も新鮮で、新しいものを届けている感じになるから、楽しい」とコメント。橘は「デビュー当時の心に戻ったというか、チャレンジするという気持ちもある。20年経ってまたこんな気持ちになれるのは、なかなかない経験かもしれない」と語り、「楽しみながら、皆さんと一緒にw-inds.を盛り上げていきたいと思っております!」と宣言、ファンは大きな拍手を送った。
「もうちょっとぐらいしゃべりたいな」と橘がMC時間を延長すると、高校生の間で流行っている言葉が話題に。マネージャーとの会話の中で、「流行の言葉を会場で言ったら大爆笑が起きますよ」と言われたそうだが、橘は「いや……そんなに皆若くないんじゃない?」と返した、と正直に吐露。そんな橘を千葉がたしなめるという、w-inds.とファンとの間にある信頼関係を思わせるMCも。会場のムードは和やかで、橘は「あなたたちが僕たちの若い時を知っているように、私もあなたたちの若い時を知っております! 共に成長しております!」(橘)と長くw-inds.と共に歩んできたファンへの言葉を届ける。千葉「一緒に進んでますから!」と笑顔で話した。「皆でタイムスリップするんだ」と橘が語り、千葉が「僕たちが今から皆さまを10代の頃に連れて行きます!」と宣言。「心を昔に戻しましょう。そういうナンバーが続きますよね、千葉さん?」「もちろんです!」との掛け合いから、活動初期の代表曲群を連打。「ブギウギ66」では、倒立から空中で脚を静止するアクロバット、ムーンウォークと華やかなダンスパフォーマンスを次々と展開。小気味よいギターカッティングから始まった「NEW PARADISE」では、少年時代と変わらぬクリスタルヴォイスをしっかりと響かせながら、滑らかさを増したダンスには成熟を感じさせた。ギターを掻き鳴らすようなフォームのダンスでフィニッシュすると、「Long Road」へ。<失くすものさえ何もないから>と、喪失からの旅立ちを明るく決然と歌うこの不朽の名曲を、未来への一歩を踏み出したw-inds.が、パワフルにパフォーマンスした本編ラスト。それは、どんな言葉よりも多くのメッセージを届けることのできる、最高の選曲だった。
2023年1月7日(土)からはファンクラブライブツアーの開催が決定しており、楽曲も制作中だという。w-inds.は今後ますます活動の幅を広げ、加速していくことだろう。築き上げてきたハイレベルなパフォーマンスと、2人の新たな挑戦を体現したステージを映像で味わっていただきたい。
取材・文=大前多恵
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