TWICE『TWICE 4TH WORLD TOUR Ⅲ IN JAPAN』ライブレポート
文・取材=武市尚子 / 撮影=田中聖太郎 @seitaro_tanaka
2022年4月23日~25日。
追加公演を含む3日間にわたり、東京ドームにて実施されたTWICEの日本公演は、2021年12月25日の韓国公演を皮切りに、アメリカ5都市7公演でも開催された本ワールドツアーの一環でもあった。約2年振りの来日公演ということもあり、チケットは、先行・一般チケット共に瞬く間にSOLD OUTとなったという。依然として続くコロナによる“歓声はNG”という規制はあったが、会場は100%の観客を入れてのライブ開催とあり、会場には彼女たちとの再会を心待ちにしていた約5万人(3日間で約15万人を動員)のONCE(TWICEファンの総称)がフロアを埋め尽くしていた。
どっしりと構えられたメインステージからピンクの照明が場内をゆっくりと照らし、客席からは自動で光を放つ観客のペンライトが色を変えながら輝き、TWICEとONCEの再会の瞬間を待った。
午後4時35分。
会場に流れていたSEが音量を上げライブ始まりへと導くと、ONCEたちは歓声の代わりに大きな拍手を送った。それぞれの個性が活かされた赤を基調とした衣装に身を包んだ9人は、横一列に並んでステージに登場した。
彼女たちが、再会の1曲目に選んでいたのは「The Feels」。楽曲に合わせて振られるONCEたちのペンライトの光がTWICEのメンバー1人1人のパフォーマンスにパワーを与えていたのが伝わってきた。その温度は曲中の特効による演出によってさらに上昇し、ライブ序盤から最高潮と言っても過言ではないほどの盛り上がりを見せた。
2曲目に届けられたミディアムなナンバー「Feel Special」では、大人っぽさとキュートさが共存するしなやかなダンスで魅了し、TWICEというグループのパフォーマンス力の広さを早くも見せつけた。間髪入れずに届けられた、アンニュイな空気感を放つ「UP NO MORE」が届けられたときには、観客を一人も置き去りにすることなく、確実にTWICEの沼へと誘っていたと感じ取れた。
3曲を届けたところで、1人1人が自己紹介と共に2年ぶりの再会の喜びを言葉にしたMCをし、今回のツアータイトル“Ⅲ” に込められた意味をONCEに伝えた。
彼女たちが掲げた【ONCEがTWICEにもたらす愛(Ⅰ)】【TWICEがONCEに見せる愛(Ⅱ)】が合わさって【完璧な愛(Ⅲ)】という3つの願いが込められた“Ⅲ”。ライブは、まさしく、その愛の形を実際に体感させてくれた時間であった。
MC明けに届けた「QUEEN」では、ピンクの照明で照らされたステージの色が客席に反射し、客席は薄いピンク色に染まった。ステージ上と客席の境界線を感じさせない一体感でONCEたちを魅了したTWICE。「QUEEN」で見せたステッキを持ってのパフォーマンスは、“TWICEらしさ”と言い切っても過言ではない、しなやかさと力強さを共存させた絶対的な個性を感じさせた。9人は「FANCY -Japanese ver.-」でメインステージの中央から真っすぐに伸びた花道を通ってアリーナ席の中心に設けられていたサブステージへと向かった。花道脇のオーディエンスは、9人が通り過ぎる姿を目で追い、場内のオーディエンスの全ての視線もサブステージへと向けられた。やはり“Japanese ver.”ということもあり、より一層の盛り上がりを見せたのは言うまでもない。9人のピタリと息の合ったフォーメーションでは興奮が伝わってくる強めの拍手が起こっていた。
映像を挟み、メインステージのバックの壁が開くと、そこには黒で統一されたメンバーの姿があった。「SHOT CLOCK」から彼女たちが魅せてくれたのは、ここまでの流れとは異なるクールな一面を押し出したSHOWだった。ステージセットの階段を上手く使った演出は圧巻。3年前の2019年に、この場所で、『TWICE DOME TOUR 2019 “#Dreamday”』と題した韓国発のガールズグループ初のドーム、本国デビューから最速、海外アーティストとして日本史上最速記録更新、という快挙を成し遂げた彼女たちだが、「SHOT CLOCK」から「GET LOUD」「I CAN’T STOP ME」と続けられたブロックでは、その頃よりも格段に増した風格をまとった絶対的なポテンシャルを感じ取ることができた。
再び映像を挟み、「SCIENTIST -Japanese ver.-」から幕を開けたブロックでは、パステル色の柔らかな印象の衣装に着替え、前ブロックのクールさとは真逆と言えるキュートな出で立ちで、全く異なるイメージのTWICEを届けてくれた9人。“ONCEが好きなTWICEの全て”が目まぐるしいほどに次から次へと披露されていく流れの中で、TWICE が愛される意味を深く知ることができた気がした。
このブロックでとても印象的だったのは「CACTUS」。横一列に並んで座り、一つ一つ言葉を大切に歌い上げられていった柔らかく美しいバラードは、5万人の存在を忘れてしまうほどに会場を静まらせ、さらに深くTWICEの魅力に引き込んでいったのだった。まるで異世界に引き込まれたかのような心地よい感覚は、今も余韻として残っている。
人気曲である「What is Love? -Japanese ver.-」「KNOCK KNOCK」が続けて届けられた瞬間では、思わず心の声が漏れてしまうほどの興奮を客席から感じたのもとても印象的であり、「What is Love? -Japanese ver.-」で客席に向かって銀テープが発射された瞬間には、あらためてTWICEとONCEの再会を実感し、その瞬間に立ち会えたことをうれしく思った。
「Heart Shaker」でも、“これぞTWICE!”というキャッチーでキュートな振り付けを、完璧なフォーメーションで魅せた9人。この曲では、そんな9人の振りをまねして一緒に踊って盛り上がる会場内のONCEたちの様子がスクリーンに映し出された。メンバーたちも、そんな会場内のONCEたちの楽しそうな姿を、とてもうれしそうに見つめていたのだった。
アンコールでトロッコに乗り込み、ONCEたちの近くに繰り出した9人は、より近くにONCEを感じたかったのが手に取るように分かった。身を乗り出し「Just be yourself」を届けていた姿には、【ONCEがTWICEにもたらす愛(Ⅰ)】【TWICEがONCEに見せる愛(Ⅱ)】が合わさって【完璧な愛(Ⅲ)】という3つの願いが込められた“Ⅲ”が理想の形で具現化されたことを証明してくれていた。
トロッコで会場を一周し、メインステージに戻った9人は、1人1人からONCEへのメッセージを贈り、あらためてこの日を迎えられた喜びを届け、本編を締めくくった。
そんな彼女たちの目に飛び込んできたのは、ONCEが掲げたシルバーの台紙にホワイトの文字で【会いたかったTWICE】と日本語と韓国語で書かれたメッセージボードだった。東京ドームの客席を銀色に染めたその美しい景色と愛しさの詰まったサプライズに、メンバーは歓喜の声を上げた。
直接会えるライブという時間が、どれほどまでに素晴らしく、温かいものであるかということを、TWICEとONCEは教えてくれた。ルーレットをその場で回し、リアルタイムで選ばれた楽曲を歌って届けるというアンコールスタイルも、生のライブでこそ味わえる醍醐味。メンバーとONCE全員が次に歌う曲をドキドキしながら見守り、同じ感情を共有し、一緒に楽しみながらライブを作っていったラストの演出は、この先もずっと消えない思い出としてTWICEとONCEの中に残っていくに違いない。
WOWOWでは、この東京ドーム公演の模様を7月24日(日)後7:00から放送・配信。30台を超えるカメラで収録し、あらゆる角度から世界を駆け抜けるガールズグループTWICEの魅力をお届けする。
また、この東京ドーム公演の放送・配信を皮切りに「4カ月連続!TWICE特集」と題し、7月から10月まで日本デビュー5周年を迎えた彼女たちの軌跡を追う。
8月17日(水)後9:30からは、2017年の日本デビュー直後に開催され、TWICE初の日本単独公演「TWICE DEBUT SHOWCASE “Touchdown in JAPAN”」の模様を、9月は、前回放送した際に好評を博した、彼女たちのミュージックビデオ集第2弾をお届けする。
さらに、10月には、TWICE初の東京ドーム公演の模様を「TWICE DOME TOUR 2019 “#Dreamday” 完全版」と題して、約3時間にわたる熱狂のライブを全曲ノーカットで放送・配信する。今回の東京ドームライブとも見比べて楽しんでほしい。
▼「TWICE 4TH WORLD TOUR Ⅲ IN JAPAN」の放送情報はこちら
▼4カ月連続!TWICE特集の詳細はこちら
▼WOWOW公式noteでは、皆さんの新しい発見や作品との出会いにつながる情報を発信しています。ぜひフォローしてみてください。