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気になる本はありますか?「UEFA EURO 2020TM サッカー欧州選手権」とセットで読みたい本5選!

WOWOWブッククラブでは、毎月のテーマに沿ったおすすめ番組と関連する本を記事としてまとめ、noteをご覧になるみなさんにお届けしてゆきます。

6月の番組テーマは「UEFA EURO 2020TM サッカー欧州選手権」

コロナ禍による1年の延期を経ていよいよ開幕する「UEFA EURO 2020TM」。

ブッククラブ部長の幅さんはサッカー観戦をこよなく愛するファンのひとり。今回、番組をより楽しんでいただくための5冊の本をセレクトしました。

【更新版】放送告知画像 (1)

1冊目:クレイジーフットボーラーズ 
ピーター・クラウチが明かすプロサッカーの裏話

ピーター・クラウチ(著)
村瀬隆宗(訳)
イカロス出版

サッカー関連の書籍では、『I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝』がプレイヤーの内面を赤裸々に描いているという点で、とにかくよくできた本でした。が、今回の『クレイジーフットボーラーズ』はそれをさらに上回るかもしれない、至極の一冊に仕上がっています。

本書は元イングランド代表選手のピーター・クラウチが書いたものですが、面白いのは彼の庶民的な感性や、ユニークな着眼点です。高級な美容院で毎日のように髪を整える選手もいる中、クラウチ自身は10ポンドしか散髪には使わないなど、彼の節制エピソードが事細かに書かれています。

その一方で自身のゴールパフォーマンスについて分析を行い、読者へパフォーマンス指南を提供する姿も見受けられるなど、細部まで自分の立ち振る舞いについて、冷静に振り返る視座も持ち合わせているのが見どころです。

クラウチ以外の話についても、サッカー選手たちのドレッシングルームやプライベートな場での振る舞い、スポンサー契約などの内情が盛り沢山です。ゴシップだけでなく、サッカー選手間で広がる格差の問題や、彼らのメンタリティについても書かれており、サッカーファン必読の書となっています。

2冊目:東欧サッカークロニクル

長束恭行(著)
カンゼン

本書を執筆した長束恭行さんは、クロアチアで試合を観戦した際に感銘を受け、そのまま東欧に移住してしまったという人物です。2001年に移住して以来、ずっと日本へ東欧のサッカー事情を伝え続けるジャーナリストとして活動されていますが、現地に根を張って、足で稼いでいるジャーナリストだからこそ見えてくる視点が盛り沢山です。

日本ではあまりお目にかかることのない東欧サッカーですが、それを語る上で東欧諸国の歴史理解は欠かせません。紛争が終結して数十年たった今でも、民族問題や国家間で相容れない部分は多く、その因縁は本来、公平な場であるはずのピッチにまでもたらされます。

元プレーヤーへの濃密なインタビューを経て、彼らがサッカー選手である前に、一人の愛国者として戦ってきた歴史にも触れ、現代で注目されることはなくとも、そこには確かに東欧諸国の歩んできた過去が眠っていたことがわかります。しかも、言葉の裏を読む奥行きが、長束ジャーナリズムの真骨頂ではないでしょうか。

東欧ではサッカーがどのように愛されて、どんな思いを代弁しているのか。そして現地の選手たちが背負ってきたものについても注目したい一冊です。

3冊目:死ぬまでに行きたい 欧州サッカースタジアム巡礼

斉藤健二(著)
エクスナレッジ

「UEFA EURO 2020TM」の特徴は、なんといっても一か所ではなく、様々なスタジアムを使って開催されるところにあるでしょう。本書では、欧州における名スタジアムの来歴や逸話などを、写真も交えながら紹介しています。

例えばイギリスのウェンブリー・スタジアムは、高さ133メートルにも及ぶ巨大アーチが名物ですが、これは2007年にリニューアルした際、建築家のノーマン・フォスターが手掛けたものです。

サッカーを見る場所なんてどこも同じ、と思われる方もいるかもしれませんが、それぞれのスタジアムに異なる文化や背景があり、違った使命を背負っています。欧州各国のスタジアムが持つ使命や意義を踏まえると、「EURO」の開催形式は、半ば巡礼のような意味を持ち合わせているようにも見えてきます。

まだまだ日本から直接スタジアムへ赴くのは難しい時期ですが、この本を片手にリーグ観戦をしながら、ピッチの外にある風景へ想いを馳せてみるのも面白いのではないでしょうか。

4冊目:戦術の教科書 サッカーの進化を読み解く思想史

ジョナサン・ウィルソン(著)
田邊雅之(著)
カンゼン

ポジショナルプレーやストーミング理論など、サッカーの戦術については最近話題になることも多いのですが、最先端の現場では数学的な説明や分析が行われており、初心者にはちんぷんかんぷんな世界です。

こちらの本では、現代的なサッカーの戦術理論が構築される以前の話からスタートします。昔から連綿と続く歴史の中で戦術が発展してきた背景を知り、その一部として今があるという視点は、戦術に対する一層の理解を促してくれるでしょう。

また戦術理論の発展は、チームにさらなる勝利をもたらしてくれる一方で、天才的な創造性を持ったサッカー選手から居場所を奪いつつある側面もあります。昔は花形だったポジションも、効率化が追求される現代サッカーにおいては活躍の機会に恵まれず、かつての栄華に対するノスタルジーのような感情を覚えるところです。

本書は2017年に発刊された書籍なので、最新の戦術理論を網羅しているとは限りません。しかしそれでも、サッカーの長い歴史を戦術という側面から丁寧に振り返っている点は、その全貌を見渡す上で価値があります。目の前の複雑な理論で右往左往させられる前に、まずはこちらの一冊で土台を固めるのも良いのではないでしょうか。

5冊目:EU離脱 イギリスとヨーロッパの地殻変動

鶴岡路人(著)
ちくま新書

欧州サッカーをさらに楽しむためには、そもそもヨーロッパってなんなんだろう、という視座が役立ちます。本書では、ヨーロッパの共同体であるEUからイギリスがなぜ離脱したのか、そして離脱によってもたらされる影響はどんなものかが丁寧に考察されており、EU離脱の影響下における「EURO」、という斜め上の視点に見識を与えてくれます。

最初の国民投票を行った時点では、誰の構想にもなかったEU離脱が、なぜ実現してしまったのか。離脱の手続きを経て、どんな交渉が各国と行われてきたのか、そして、EUが目指す共同体のあり方とはそもそも何なのかという、本質的な問いにまで迫る内容です。

イギリスの離脱せざるを得なかった事情や、実はイギリスの影に隠れてEUに対して消極的だった国々の表面化などにも触れられており、イギリスのEU離脱を通じて、欧州情勢を余すところなく知ることができます。

イギリスがいなくなった後の「EURO」の名を冠する大会において、「UEFA EURO 2020TM」はどのように一体感を表現し、各国の独自性を保つのか。そんな視点が得られる一冊です。

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