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【中島健人:インタビュー】“名刺代わり”といえる番組と、映画への想いについて語ってもらった。

Sexy Zoneのメンバーであり俳優としても活躍中の中島健人が、映画制作の最前線をリポートするWOWOWオリジナル番組「中島健人の今、映画について知りたいコト。」。これまで国内外の著名な監督や、音楽、美術などのスペシャリストにインタビューをし、映画をもっと多角的に楽しむための情報を発信している。番組でさまざまな経験をし、映画への愛を深めている中島のスペシャル・インタビューをお届けする。
※本コラムは、WOWOWプログラムガイド11月号掲載のインタビュー「あなたにつなぐ、シネマ」の完全版となります。

取材・文=小田慶子

「最初は礼儀正しく、話をするうちに気さくに…“フォーマル&カジュアル”が僕のスタイル」

 「中島健人の今、映画について知りたいコト。」は2021年1月からスタートし、10月時点で第22回まで放送。その間、中島は『TENET/テネット』(’20)のクリストファー・ノーラン監督、『ノマドランド』(’20)のクロエ・ジャオ監督、『万引き家族』('18)の是枝裕和監督、『シン・ウルトラマン』(’22)の樋口真嗣監督など、世界のトップクリエイターにインタビューしてきた。

中島「改めて考えても、すごいことですよね。海外の監督にインタビューするときは、英語圏の友達と話すときのブロークン・イングリッシュではなく、なるべく正しい英文法で質問するように意識しています。やはり、その監督の作品もちゃんと見て、準備万端にしてから取材に臨みたい。第19回『世界の名監督3人に聞きつくす!』で3人の監督(ミシェル・アザナヴィシウス、マーティン・キャンベル、ヨアキム・トリアー)にインタビューをしたときは、さすがにかなりのカロリーを消費しました(笑)。
僕は今28歳で、同世代をはじめもっと幅広い層に映画の面白さを伝えるのが使命だと思っているので、インタビューで堅い話ばかりするのは違うのかなと。若者らしさを大事にしたくて、あえてくだけた質問をさせてもらうこともあります。最初は礼儀正しく、話しをするうちに気さくに…“フォーマル&カジュアル”が僕のスタイルです」

 緊張しつつも物怖じはせず、映画の作り手に話を聞くときの生き生きとした表情や率直なトークが好評だ。

中島「最近では樋口監督に会えたのがうれしかったです。『シン・ウルトラマン』は、特撮好きにはたまらない完成度でしたし、特撮という日本の文化をいかに現代にアップデートするかということに挑んでいる樋口監督から貴重なお話が聞けました。印象的だったのは、怪獣ネロンガが送電線を引きちぎる場面を撮影したとき、監督みずからゴムひもを手で持って動かしていたそうで、やっぱり機械にはできないこともある。CGなどのデジタル技術だけでなく、アナログを組み合わせることで、見る人に現実の地続きのように共感を与えられるんだと発見がありました」

 音楽やテレビ出演などグループ活動も忙しい中、番組のために、取材の準備に時間をかけるのは、幼い頃から映画に対する愛を育んできたからだ。

中島「両親が映画好きだったので、むしろ音楽よりも先に映画を好きになりました。映画鑑賞という楽しみがあると、プライベートの時間も充実しますよね。ひとりで見るのもいいけれど、友達と一緒に見て、その体験を共有し感想を話し合うのもすごく楽しい。『トップガン マーヴェリック』(’22)などアクション映画をみんなで見ると、めちゃくちゃ盛り上がるし…。だから、番組で『スパイダーマン』シリーズについて座談会をしたのは(第20回「スパイダーマン」シリーズを徹底解剖!~)、めっちゃ面白かったです」

「僕の映画人生の1ページに深く刻み込まれました」

 WOWOWで11月に放送されるおすすめの映画は、テニスの世界チャンピオンであるウィリアムズ姉妹を育て上げた父親の姿を実話にもとづき描いた『ドリームプラン』('21)<11月20日(日)WOWOWシネマで初放送>。父リチャードを演じたのはウィル・スミスで、本作で第94回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。

中島「この番組でレイナルド・マーカス・グリーン監督にインタビューしたこともありましたね。映画のポイントは、ウィルがイメージ通りのウィル・スミスじゃないところ。これまで個性を生かしたキャラクター性の強い役を多く演じてきたけれど、この映画でのウィルはリチャードという男そのものにしか見えなくて、衝撃的でした。自分の意志を貫き夢に向かって突き進むことのすごさや、やり抜く力を持ち、強く念じればドリームプランは叶えられるということを教えてくれるストーリーで、ストレートに活力をもらえます。僕の映画人生の1ページに深く刻み込まれました。
 もう1本選ぶとしたら『余命10年』(’22)<11月12日(土)WOWOWプライムで初放送>ですね。映画公開とちょうど同じ時期に、僕も愛する女性の死が近いという似た設定のラブストーリー(『桜のような僕の恋人』)に出演したこともあり、気になって見たんですけど、主演の小松菜奈さんの熱演がすばらしくて感銘を受けました」

 俳優としての最新作『ラーゲリより愛を込めて』(2022年12月9日(金)公開予定)では所属事務所の先輩である二宮和也と共演。第二次世界大戦終結後、極寒のシベリアの収容所で過酷な捕虜生活を送った若者・新谷を演じている。

中島「監督は『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久さん。僕は監督の『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(’17)、『64-ロクヨン-』('16)が大好きだったのでうれしかったです。ただ、映画で主演ではないポジションというのが実は初めてで、今回は監督やスタッフとの対話を通してではなく自分ひとりで役について考える時間を相当増やしました。瀬々監督はひとつの場面でかなりの数のカットを重ねる人なので、集中力も必要。つらい物語ですが、新谷として涙を流すのは最小限にしようと思って演じていました。撮影中は気付いていなかったけれど、完成した映画を見るとスケールが大きすぎて、ちょっとビビったぐらいです(笑)」

 映画に出演しながら、映画を紹介する立場でもあり、映画というものを通じて自分の活動がリンクしていることを実感しているという。

中島「ジャニーズでこういう番組をやっている人って他にいないですよね。仕事で会う人に『WOWOWで映画の番組に出ているね』とよく言われるんです。Sexy Zoneのメンバー、佐藤勝利も見てくれているし、二宮(和也)くんも『知ってるよ』と言ってくださって、びっくりでした。特にクリストファー・ノーラン監督にインタビューしたときは、俳優の友人にもファンが多いから、『ノーラン監督と話したの⁉ いいなぁ』と言われて…。そんなふうに、この番組をやることで、映画を愛する人たちに中島健人という存在を認識してもらえるのがうれしいし、できればもっと知ってほしい。僕にとって自分の名刺代わりの番組になりましたね」

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