難役が坂口健太郎の“進化”を促す。彼から放出される“言葉を超えた何か”を紐解く
文=SYO @SyoCinema
執筆業を行なっていると、時折監督や俳優サイドから「指名」をいただくことがある。そうした瞬間は、飛び上がるほどうれしいものだ。誰かに自分の感性を肯定され、必要とされる喜び――。
俳優であればオファーが届く状態がそれに当たるだろうが、もう一つ上の「当て書き」という誉れが存在する。「当て書き」とは、演じる俳優を想定して役を書くこと。「あなたのためにこの役を用意しました」というラブコールなのだ。
今回紹介する映画『サイド バイ サイド 隣に