奈緒の芝居の“深度”に触れ、僕はどうしようもない感情に押しつぶされてしまった。
文=SYO @SyoCinema
役者に対して「すごい」と感じる瞬間は多々あるのだが、この人においては不遜にも「一緒に仕事をしたい」と思ってしまった。ひとりの物を書く人間として「この人に演じてもらえたら、幸せだろうな」と夢想してしまう存在であり、「物語を書きたい」とインスピレーションをかき立てられる存在でもあり……。
創作の世界ではそれを「ミューズ」と呼ぶのだろうが、まだ実績のない自分においてはその言葉が当てはまらなくとも――似たような感覚を抱いてしまったのは確かだ。