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映画ライターSYOの「#やさしい映画論」

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※WOWOWプログラムガイド12月号にてお知らせした連載コラムは、11月28日(木)ごろにアップ予定です。 映画ライターSYOさんによるコラムをまとめたマガジンです。SYOさんな…
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#小松菜奈

『余命10年』の坂口健太郎に、彼自身が持つ“人間力”を痛感する

文=SYO @SyoCinema  俳優はさまざまな人物を演じる職業だが、その中でも“器”である本人の人柄を感じさせる瞬間は往々にしてあるものだ。善人がはまる俳優だったり、あるいはそれを逆手にとって極悪人を演じさせてみることでギャップを狙ったり――。パブリック・イメージは本人にとってつえにもかせにもなり、どう付き合っていくかでキャリアが構築されていく。  坂口健太郎においては、本人の人間性がにじみ出るような好青年を多く演じてきた。常識人であり、他者の痛みを想像できる人物で

林遣都と小松菜奈の“濃さ”が起こす化学反応から、異色の恋愛映画『恋する寄生虫』の魅力を紐解く

映画ライターSYOさんによる連載「#やさしい映画論」。SYOさんならではの「優しい」目線で誰が読んでも心地よい「易しい」コラム。“濃い作品”に次々出演する俳優、林遣都と小松菜奈が初共演を果たした『恋する寄生虫』('21)の魅力を紐解きます。 文=SYO @SyoCinema  俳優とは因果なもので、作品の中で存在感を示せば示すほどイメージが染みつき、時として囚われてしまうもの。しかもこれは本人というより視聴者側に生じるものであるため、アンコントロールな領域でもある。