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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2020年8月の記事一覧

清原果耶はなぜ「強い」のか 複数作品から考える #シネピック映画コラム

文=SYO @SyoCinema さまざまな役柄で見せる確かな芯の強さ「いま最も勢いのある若手女優」に間違いなく食い込んでくる逸材、清原果耶。人気だけでなく、演技力も傑出した本格派女優だ。  清原は、2002年生まれの現在18歳。中学生の時、芸能事務所主催の新人発掘オーディションで約3 万人の中から選出された彼女は、映画『3月のライオン』2部作('17)やドラマ『透明なゆりかご』('18)の迫真の演技で一気に注目を浴び、いまや新作映画が5本も待機、2021年の“朝ドラヒロ

『35年勤めてきました。ここが家です』 スピードワゴン・小沢さんが語る映画の名セリフのこと #このセリフに心撃ち抜かれちゃいました

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回からこの連載は、noteに場所を移してリニューアルされました。 小沢一敬(以下、小沢)「うん、なんかそうらしいね」 ──ここでは毎回、小沢さんがチョイスした映画の名セリフについて語っていただいてるんですが、こういう形で映画について掘り下げて考えていくという作業は、小沢さんにとっても何か得られるものがあったりするんでしょうか? 小沢「得られるものはたくさんあるよ。例えばここで1本の映画について語ってるうちに、『あ、俺は今

是枝裕和監督作における樹木希林とカトリーヌ・ドヌーヴ #シネピック映画コラム

文=轟夕起夫 @ NetTdrk カトリーヌ・ドヌーヴと樹木希林の姿が重なる  あれは2018年の初夏だったか、『万引き家族』(‘18)が第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞して間もない頃、早くも是枝裕和監督の新作に関する第一報が飛び込んできたのだ。フランスでの撮影を予定し、現地のスタッフとタッグを組むというその作品はまだ原題で『La Vérité(仮)』とされていた。  出演者は、フランスが世界に誇る大女優カトリーヌ・ドヌーヴを筆頭に、ジュリエット・ビノシュ、イ

コロナ禍の今、『ぼけますから、よろしくお願いします。』から考える「支え合う力」 #観て、学ぶ。映画の中にあるSDGs from安田菜津紀

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回、取り上げるのは認知症の母、介護する高齢の父の姿を娘の視点で撮り続けたドキュメンタリー『ぼけますから、よろしくお願いします。』(‘18)です。  高齢化が進む中、介護、福祉の現場は課題が山積み。この映画を通して「目標3:すべての人に健康と福祉を」「目標11:住み続けられるまちづくりを」について考えていきたいと思います。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 4年前にお会いした訪問看護師さんのように…