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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2021年7月の記事一覧

『罪の声』で静の演技に徹した小栗旬と星野源。“声なき人々”の声に耳を傾ける

文=SYO @SyoCinema  ハリウッド映画『ゴジラvsコング』(’21)や菅田将暉主演作『キャラクター』(’21)まで、幅広く活躍し続ける小栗旬。ミュージシャンとして、俳優として、近年ますます影響力が拡大している星野源。両者が“バディ”として共演した2020年のヒット作『罪の声』が、早くもWOWOWで初放送を迎える。  大泉洋主演で映画化された「騙し絵の牙」でも知られる人気作家、塩田武士のベストセラー小説を映画化したヒューマン・ミステリー。ドラマ「逃げるは恥だが役

愉快で魅力的で、常識にとらわれない自由な女性“パピチャ”――1本の映画タイトルに込められた想いを知る

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、アルジェリア出身のムニア・メドゥールの長編監督デビュー作『パピチャ 未来へのランウェイ』(’19)。主人公を演じたリナ・クードリが第45回セザール賞有望若手女優賞に輝いた作品です。  厳しい時代を生きながら、女性への抑圧に力の限り抵抗する主人公たちの魂の叫びから、SDGsの「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」を考えていきたいと思います。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 解放されて

好きだからお笑いやってきた。“それで間違ってないよ”ってこの映画は言ってくれた気がしたんだよね――『アルプススタンドのはしの方』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は2020年公開の邦画をチョイスしていただきました。 小沢一敬(以下、小沢)「公開時に話題になってたよね。友達から『小沢くんの好きなタイプの映画だから、観た方がいいよ』って言われてて。今回ようやく観れたよ」 ──もともとは兵庫県の県立高校の、演劇部の顧問の先生が書いた戯曲で、2017年の「第63回全国高等学校演劇大会」で最優秀賞を受賞した作品です。これを映画化したものですね。 小沢「戯曲だっていうのは聞いてたけど、高校

気鋭の映画スタジオ「A24」の、1990年代と今をつなぐ“再生計画”

文=鍵和田啓介 @kaggy_pop  「A24」の作品を観ていると、1990年代後半から2000年代前半にかけて、ストリートファッションをはじめとするユースカルチャーと連動しながら、ヒップな若者たちを魅了したインディーズ映画のバイブスを思い出す。スケーターたちの日常とHIVの脅威を描き、ファッションを含むスケートカルチャーを世に知らしめた青春映画『KIDS/キッズ』(’95)を筆頭とする、日本では“ミニシアター系”と呼ばれるタイプの作品群だ(以後、便宜的に“90年代映画”

本当のパートナーシップとは?――1本の映画からイスラエル・パレスチナ問題を考える

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、1972年、ミュンヘン五輪のさなかに起きた実際の事件をもとに、スティーヴン・スピルバーグ監督が手掛けた『ミュンヘン』(’05)です。  心の機微が細やかに描かれ、報復の凄惨(せいさん)さが震えるほど伝わってきます。ここで描かれているイスラエル・パレスチナ問題は、大国の思惑に大きく左右されてきたことから、あえてSDGsの「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」の視点から映画を紐解いていきます。 (