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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

【斎藤工:インタビュー】自身の番組での“役割”と、「ゴリ押し」映画について語ってもらった。

取材・文=小田慶子 「『映画工房』が誰かにとって映画を好きになるための軽やかな入り口になれたら」   2022年も話題作『シン・ウルトラマン』に主演するなど、日本映画界に欠かせない俳優として活躍。自ら映画監督としてもメガホンを取り、ミニシアターの支援活動も行なう映画愛にあふれた斎藤工。視聴者に“映画の見方”を伝える番組「映画工房」に懸ける情熱も、衰えを知らない。 斎藤「映画って単体の“点”で見るより、『この監督と俳優は映画祭の会場で出会ったんだ』などの知識を得て、つなが

エッジの利いた役に挑戦する鈴木亮平。ブレない体幹に裏打ちされた“分厚さ”を考察する

文=SYO @SyoCinema  脳内で顔を思い浮かべるとき、なぜかいつも笑顔の人がいる。きっとそれは、自分のその人に対するイメージが「明るさ」や「優しさ」、「包容力」で埋め尽くされているからなのだろう。俳優・鈴木亮平は、自分にとってそんな存在のうちのひとりだ。  演技の体幹の良さ、とでもいうのだろうか、画面に映る鈴木亮平の芝居は、まずもって軸がブレない。それは人物によらず、ひょっとしたら演じている人物=役とは別のレイヤーにあるのかもしれない、と思わされる。つまり、器で

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「シネ・ピピア」(兵庫・宝塚)〜

名画や良作を上映し続けている全国の映画館を、WOWOWシネマ「W座からの招待状」でおなじみのイラストレーター、信濃八太郎が訪問。それぞれの町と各映画館の関係や歴史を紹介する、映画ファンなら絶対に見逃せないオリジナル番組「W座を訪ねて~信濃八太郎が行く~」。noteでは、番組では伝え切れなかった想いを文と絵で綴る信濃による書き下ろしエッセイをお届けします。今回は兵庫・宝塚の「シネ・ピピア」を訪れた時の思い出を綴ります。 文・絵=信濃八太郎 旅の途中、原田治先生に想いをはせる

公文書は「国の所有物」ではない――ウィシュマさんの事件と『モーリタニアン 黒塗りの記録』に学ぶ

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、内部での拷問や暴力の実態が明るみに出たグアンタナモ基地での実話をもとに描かれた『モーリタニアン 黒塗りの記録』('21)。  無実を訴えるひとりの男性の前に立ちはだかったものは何か。ベネディクト・カンバーバッチらが出演。ジョディ・フォスターが第78回ゴールデングローブ賞で助演女優賞に輝いた本作を、SDGsの「目標16:平和と公正をすべての人に」を軸に紐解きます。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピッ