マガジンのカバー画像

映画のはなし シネピック

180
新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

【中島健人:インタビュー】“名刺代わり”といえる番組と、映画への想いについて語ってもらった。

取材・文=小田慶子 「最初は礼儀正しく、話をするうちに気さくに…“フォーマル&カジュアル”が僕のスタイル」  「中島健人の今、映画について知りたいコト。」は2021年1月からスタートし、10月時点で第22回まで放送。その間、中島は『TENET/テネット』(’20)のクリストファー・ノーラン監督、『ノマドランド』(’20)のクロエ・ジャオ監督、『万引き家族』('18)の是枝裕和監督、『シン・ウルトラマン』(’22)の樋口真嗣監督など、世界のトップクリエイターにインタビューし

『余命10年』の坂口健太郎に、彼自身が持つ“人間力”を痛感する

文=SYO @SyoCinema  俳優はさまざまな人物を演じる職業だが、その中でも“器”である本人の人柄を感じさせる瞬間は往々にしてあるものだ。善人がはまる俳優だったり、あるいはそれを逆手にとって極悪人を演じさせてみることでギャップを狙ったり――。パブリック・イメージは本人にとってつえにもかせにもなり、どう付き合っていくかでキャリアが構築されていく。  坂口健太郎においては、本人の人間性がにじみ出るような好青年を多く演じてきた。常識人であり、他者の痛みを想像できる人物で

「コンフィデンスマン」って、ある意味では漫才師かコント師かも――長澤まさみ主演『コンフィデンスマンJP 英雄編』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、人気ドラマとして始まった『コンフィデンスマンJP』シリーズの映画版第3作となりますが。小沢さんは、このシリーズをご覧になったことは? 小沢一敬(以下、小沢)「うん。ドラマ版は、たぶん全部観たと思う。俺はあんまりドラマを全部観たりしないんだけど、全部観た数少ない作品の一つだね。それだけ好きなドラマだったから」 ──このシリーズのどんなところがお好きですか? 小沢「単純に楽しい作品だよね。毎回ちゃんとオチもあって、伏線

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「フォーラム山形」(山形市)〜

文・絵=信濃八太郎 観たい映画を観るための「場所」作り  東日本大震災が起きてすぐ後、身の回りで、イラストレーションの力で世の中にどう貢献できるか、というような議論があった。社会の中で絵を描いて生きている以上、こういうときにこそみんなですべきことがあるのではないかと。  いろんなアイデアが挙がったものの、個人的には今の状況下で、そもそもイラストレーションが求められているのだろうかと思い悩んだ。自分では答えも出せず、飲みながら話せば「3.11以後を生きるアーティストが、自

特別ではなくても、大きなことでなくても、ともに生きるための役割を持ち寄る――『ライフ・ウィズ・ミュージック』が気付かせてくれること

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、世界的なシンガー・ソングライターのシーアが監督を務め、第78回ゴールデン・グローブ賞コメディ/ミュージカル部門の作品賞とケイト・ハドソンが女優賞にノミネートされた『ライフ・ウィズ・ミュージック』('21)だ。  孤独を抱える主人公、自閉症の妹、そして近隣の住人たちの姿を通し、SDGsの「目標11:住み続けられるまちづくりを」を考えます。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 子どもの頃の

斎藤工のどこまでも尽きない“映画愛”に直接触れて、原点に立ち返ることができた――映画ライターSYOによる「ミニシアターに愛をこめて」収録現場レポート

文=SYO @SyoCinema  映画を愛し、映画界を憂う斎藤工。俳優として、監督として、さらに移動式映画館「cinéma bird」やミニシアター応援プロジェクト「Mini Theater Park」の中心人物として、日夜身を粉にして活動し続ける彼と対談する機会をいただいた。工さんがホストを務めるWOWOWの特集企画「ミニシアターに愛をこめて」だ。  本特集は、工さんが全国のミニシアターにエールを送るもの。これまで永瀬正敏さん、井浦新さん、石田ゆり子さん、瀬々敬久監督