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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2023年1月の記事一覧

【デザイン大募集!】「斎藤工×板谷由夏 映画工房」新キービジュアル制作プロジェクト始動! あなたのデザインが番組に採用されるかも!?

【プロジェクトの背景】 このプロジェクトに興味を持っていただきありがとうございます。  「映画工房」番組プロデューサーの樋浦と申します。  昨年10月に放送開始から12年目に突入した「映画工房」に新鮮な風を吹かせたいという想いからこの企画は始まりました。  現在使用している番組ロゴには、斎藤工さんの“工”になぞらえて、俳優や映画解説者、評論家、映画監督、脚本家をはじめさまざまな人たちがこの「映画“工”房」に集い、映画の魅力を語り合い、意見をぶつけ合うことで、お客さまにとって新

国境が運命の線引きになってはならない――ヴェネチア国際映画祭で問題提起されたドキュメンタリーから考える

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げる映画は、ジャンフランコ・ロージ監督が3年以上の月日をかけ、イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯で撮影し、第77回ヴェネチア国際映画祭でユニセフ賞など3冠に輝いた秀作ドキュメンタリー『国境の夜想曲』('20)だ。  国境により引き裂かれ、テロや侵略、圧政に直面してきた人々がこれ以上未来を絶たれないよう、何が求められているのか。SDGsの「目標10:人や国の不平等をなくそう」とともに考えます。 「ク

【小山薫堂:インタビュー】映画を“言葉”として綴る面白さと、飾らないトークが共感を呼ぶ番組について語ってもらった。

取材・文=小田慶子 「友達と映画を観に行った帰りのような、自由な雰囲気を意識しています」  エンターテインメントのみならず、さまざまな分野で企画やプロデュースを行なうなど、多才ぶりを発揮している小山薫堂が映画について言葉を綴る「W座からの招待状」。小山の文章に絵を添えるイラストレーターが安西水丸、長友啓典、そして現在の信濃八太郎と代替わりしつつ、12年続いてきた番組だ。 小山「もう12年経ったなんて信じられない。始めた頃は、こんなに長くやると思いませんでしたから、不思議

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「ポレポレ東中野」(東京・東中野)〜

文・絵=信濃八太郎 “使いながら残していく”こと  「残せ残せといっても、ずっとそこにあってほしいというようなノスタルジーや、芸術的価値があるからという理由だけでその場所が残せるわけじゃない。残して、そしてそれを長く維持していくには当然莫大なお金がかかる。一度残すと決めたら放っておくわけにはいかない。どう残していくのか。子育てする親のような気持ちだね」  大学を卒業して勤めた自由学園明日館(東京都豊島区)で最初に吉岡努館長(当時)に言われた言葉を、こうやっていろんな映画

「M-1」で強かったコンビが持つ要素。すぐ後に観たこの映画で、いろいろと考えさせられたよ――『メタモルフォーゼの縁側』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、芦田愛菜さんと宮本信子さんが共演した『メタモルフォーゼの縁側』です。 小沢一敬(以下、小沢)「正直ね、観る前の期待を超えてめっちゃくちゃ良かった! 約2時間の映画だけど、あっという間に終わっちゃってビックリしたぐらいよ。映画や小説の世界には“ボーイ・ミーツ・ガール”っていう言葉があるじゃん。少年と少女が出会ったことで物語が始まるという。それで言うなら、この映画は“ヤング・ミーツ・オールド”のジャンルだよね。とにかく、芦

生きる人々の日常は続くからこそ、先立つ人とどのようなお別れをするのかも大きな意味を持つだろう――『ぼけますから、よろしくお願いします。』続編から考える「壁」の取り除き方

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、認知症の進む母、支える父の姿を娘の視点から捉えたドキュメンタリー映画、『ぼけますから、よろしくお願いします。』('18)の続編にあたる『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』('22)だ。  長年ともに生きてきた90代の夫婦の暮らしから、SDGsの「目標11:住み続けられるまちづくりを」を考えます。 東日本大震災で亡くなった義母の携帯番号に幾度も電話をかけていた義父の思い「これ、お