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映画のはなし シネピック

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新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
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2023年2月の記事一覧

岡田准一の突出した身体能力と滲み出るカリスマ性。『燃えよ剣(2021)』で土方歳三に成り切った“凄み”を紐解く。

文=SYO @SyoCinema  俳優・岡田准一について考えるとき、「達人」「師範」という言葉が思い浮かぶ。その大きな要因は、彼の突出した身体能力によるものだ。彼が魅せるアクションは他の追随を許さない。  いわゆる「動ける俳優」は数多いが、岡田の場合は第一に「すべて自分でこなせる」。“最強”と呼ばれた殺し屋に扮した「ザ・ファブル」シリーズ(’19、’21)の撮影で、スタント・チームが苦労したアクションを、本人がさらりと成し遂げてしまったのはよく知られた話。それもそのはず

「アカデミー賞授賞式」の生中継と字幕版、どちらも現場は「生」の緊張感。ギリギリまでこだわる番組制作の舞台裏を担当プロデューサーに聞いた。

受賞式の“すべて”を楽しんでいただくために —アカデミー賞授賞式当日、放送に向けて大垣さんのスケジュールを教えてください。 大垣「まずは前日に(日本のスタジオの)リハーサルがあるので、そこからスタートしています。早朝から美術セットの建て込みが始まります。セットが出来てくるとやっぱりテンション上がりますね。お昼過ぎから技術周りの打ち合わせとスタジオのリハ。また、現地と中継をつなぐテストも行なっています。だいたい夕方には終わるんですけど、その後、そのリハを受けての修正や調整、

イラストレーター・信濃八太郎が行く 【単館映画館、あちらこちら】 〜「長野相生座・ロキシー」(長野市)〜

文・絵=信濃八太郎 映画もカレーも“味わう場所”が大事  「映画なんてどこで観たって一緒」と友人に言われて驚いた。全然そんなことないのにと、どれだけ言葉を尽くしても、首を横に振るばかり。  たとえば、味はまったく同じカレーが出てくるとしても、近所の混雑したフードコートの一角で食べるのと、冬の旅先、外から気になったお店の扉をちょっと勇気を出して開けたら、大きなストーブの暖かさに心がほぐれ、窓の外を舞う雪でも眺めながらのんびり待っているところに出てくるのとじゃ、これは違うカ

「お前は芸人としてまだ生きてるじゃないか!」って思わなきゃいけないなって――『キングダム2 遥かなる大地へ』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

(※初回放送 3/18(土)後8:00、以降リピート放送あり) 取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回取り上げる作品は、人気漫画「キングダム」を原作にした映画版の2作目です。 小沢一敬(以下、小沢)「『キングダム』はね、原作漫画は大好きで全巻持ってるし、映画も1作目は映画館で観たんだよ。ただ、2作目は映画館に行けなかったんで、ようやく観れたんだ」 ──いかがでしたか? 小沢「すごく見応えがあったよね。とにかく、スケールの大きな映画で。あれだけ大人数での戦