マガジンのカバー画像

映画のはなし シネピック

180
新しい映画と出会える。映画をより深く楽しめる。そんなコンテンツをお届けしていきます。担い手は、映画ライターSYOさんなど個性豊かな面々。それぞれの感性が作り出す映画愛は必見です!… もっと読む
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

この社会でマイノリティーとして暮らす人々が、より生き心地のよい社会となるよう、『RENT/レント』が色あせることなく、社会に響き続けることを願う

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、トニー賞ほか数々の賞に輝いたブロードウェイのロングラン・ミュージカルを映画化したクリス・コロンバス監督作『RENT/レント』('05)だ。製作でロバート・デ・ニーロも参加している。 (※9/7(木)後4:05、ほかリピート放送あり)  マーク役のアンソニー・ラップほかミュージカルの初代キャストらも出演し、ボヘミアンたちの1年を、巡りゆく季節とともに描く。貧困や病、差別の渦巻く時代にありながらも、時に手を携

役に“溶ける”妻夫木聡の演技のすごさを、『ある男』から紐解く。

文=SYO @SyoCinema  これは私見だが、映画にハマるきっかけは多くの場合「俳優」からなのではないか。たまたま目にしたドラマやCMで見かけた俳優に惹かれて「じゃあ次は」と映画を観てみる。そうして俳優の“推し”になり、出演作を追いかけていくうちに「監督」や「脚本家」、あるいは「テイスト」や「ジャンル」へと興味が拡大していく。  自分も、そのルートをしっかりたどって今がある。ものすごく影響を受けているのはオダギリジョーさんで、中学、高校、大学と彼の出演作を観ていく過程

映画担当イチオシ3作品!【WOWOWオンデマンド】夏の特別企画「語り尽くしたいプレイリスト ~2023年、夏。~」より、WOWOW映画部若手社員のセレクト映画を紹介

【映画担当イチオシ!スターが魅せるアクション!】① 映画部・池貝のイチオシ! 『ブラザーフッド』(’04)  レイトショーを目指して今日も小走りで退勤する映画部の池貝です。 映画はキャストよりもテーマや内容に注目して観賞することが多い私ですが、この作品については「チャン・ドンゴンかっこいい!」と感動しました。  目を背けたくなるほど生々しく描かれた、朝鮮戦争の凄惨(せいさん)な戦場。そんな壮絶な環境で、文字通り“命懸け”で弟を守るため、危険な任務に向かっていく姿はまさしく

それでも生きていくんだし、生きてる以上はやるべきことが何かあるんだなって――二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人ら出演『ラーゲリより愛を込めて』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

(※初回放送 8/12(土)後8:00、以降リピート放送あり) 取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回の作品は『ラーゲリより愛を込めて』です。 小沢一敬(以下、小沢)「うん。まず正直言うと、俺は普段から、戦争映画というのはほとんど観てこなかったのね。好きじゃないとかじゃなくて、どうしてもつらい内容になるから観てるとしんどくなっちゃうというか。ただ、戦争のことを後世に伝えていくという意味で戦争映画にはすごく存在意義があると思うし、こういう機会がないと観なかった