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「NBA バスケットボール」がWOWOWに帰ってきた! “今のNBAを届けること”とは、どういうことなのか? 担当プロデューサーが熱く語る所信表明!

テニス、サッカー、ゴルフ、ボクシング、ラグビー…と、世界最高峰のスポーツを中継しているWOWOW。2017-18シーズン以降、「NBA バスケットボール」の放送から離れていたが、2023-24シーズンから再び放送・配信が決定!(10月25日(水)開幕。毎週7試合ライブ配信、その中から5試合を生中継で放送)
そこで、「NBA」を担当する早川敬プロデューサーに緊急インタビューを敢行! NBAへの熱い想いと、これから先の「WOWOW NBA」について語ってもらった。(早川プロデューサーの経歴はこちら

WOWOWスポーツ部 早川敬チーフプロデューサー

日本国内で高まる“バスケ熱”が後押しをしてくれた

—「NBA バスケットボール」がWOWOWに帰ってきました! まずは早川さんがどのように携わっているか教えてください。

早川「番組制作におけるチーフプロデューサーをしています。主な業務としては、権利元との折衝、出演者のブッキング、関係先とのコラボレーションなどの企画立案、放送枠や配信に関わる社内調整、広告チームやパブチームとプロモーション展開を考えたり、プログラムガイドやリリースの掲載内容の確認など多岐にわたっています。一言でいうと、WOWOWの『NBA バスケットボール』をいかに視聴者やバスケファンに見ていただくか、また見た後にどう感じてもらえるかを、日々考えています」

—WOWOWとNBAの歴史を振り返ると…。

早川「2010-11シーズンにファイナルなど注目の数試合を放送したのが最初で、翌2011-12シーズンから本格稼働し、2017-18シーズンまで毎週5試合の生中継をしていました。その後、楽天さんが参入されてWOWOWでの放送がなくなり、もう5年がたちますかね。でも、WOWOWでNBAの放送がなくなってからも、加入者の皆さまから『NBAをまた放送してほしい』という声が途切れることなく届き続けていたんですよね。
もちろん、自分自身にもその想いはありましたし、社内からも『もう1回チャレンジを』という声も聞こえていました。前回、WOWOWでNBAを放送していたことが、こんなにもいろいろな人に影響を与えていたことが分かって、それでずっと諦めずにいられた、というのはあると思いますね」

—2023年は日本中で「バスケ熱」が高まったように思います。

早川「やはり今年開催された『FIBA バスケットボール ワールドカップ』は大きいですよね。日本がここまで勝ち上がるとは予測していなかったですし、日本で過去これほどまでバスケが盛り上がることはなかったように思います。このワールドカップは確実に、『もう一度NBAをWOWOWで!』と思ったきっかけの一つです。やるなら今しかない、と。
放送していなかった約5年の間、コロナ禍など大変なこともありましたが、渡邊雄太選手や八村塁選手の日本人選手がNBAに入って、日本でのNBAの立ち位置が劇的に変わりました。NBAに日本人選手が入るなんて、『考えられないことが起きた!』と思いましたから。『もう一度、NBAを!』という気持ちになったのは、2人の存在が相当大きかったです。
2016年から始まった国内のB.LEAGUE(Bリーグ)も着々と地盤を固めていたし、東京2020オリンピックで八村選手が日本選手団の旗手を務めていたり、ニュースでもNBAやバスケットボールが取り上げられることが増えてきたと感じています。2023年はそのすべてがうまくかみ合った感じがありました」

—そういえば、映画『THE FIRST SLAM DUNK』(’22)の大ヒットも大きいですね

早川「はい、われわれのように『週刊少年ジャンプ』で連載を読んでいた世代からすると感涙ものでしたよね。上映がスタートしたのは2022年ですが、映画館での約9カ月のロングラン上映の最終日(8月31日)、ワールドカップの日本代表とベネズエラ代表の試合があり、日本代表が逆転勝利したんですよ。そういう偶然がハマるのもすごい。そういった相乗効果にWOWOWもうまく乗れたんじゃないかなと思います」

—いよいよ10月25日(水)に開幕する今シーズンの見どころを教えてください。

早川「渡邊選手、八村選手には間違いなく注目ですね。渡邊選手は、昨季はネッツで活躍し、3ポイントシュート成功率ランキングでシーズン途中で一時リーグ1位にもなりました。その後サンズに移籍して、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビール、デビン・ブッカーを擁する強いチームにいる。名門レイカーズの八村選手は“キング”(レブロン・ジェームズ)とオフも一緒にトレーニングしていたと聞きますし、プレシーズンマッチも活躍中。スーパースターと身近にいる日本人選手というところでの期待は大きいですね。
また、レイカーズとサンズがカンファレンスファイナルで夢の対戦なんて熱いことも実現するかもしれないですし、オールスターに2人が出場する可能性もあります。
個人的にはナゲッツのニコラ・ヨキッチ選手“推し”です。昨シーズンはチームを優勝に導いてファイナルMVPも獲得しているし、体のサイズはでかいですが、パスセンスが本当にすばらしい選手です」

『WOWOW NBA アンバサダー』に渡邊雄太選手が就任!

—WOWOWにNBAが帰ってくるというニュースには、SNS上でもファンのポジティブな声が上がっていました。

早川「実は情報解禁の直前までバタバタしていて、肝を冷やしていたんですよ…。そもそもNBAの開幕は10月なのに、WOWOWのプログラムガイド10月号にも間に合ってないですし…(苦笑)。11月号に間に合うかどうかもギリギリだったんです。でも、発表されたと同時に反応がものすごくて。X(旧Twitter)の公式アカウント(@wowow nba)は凍結状態だったんですけど、ポストした途端に3,000を超える“いいね”をいただきました。そのほとんどが好反応で、『WOWOWにNBAが戻ってきた!』と反応してくれる人が多く、また、関係各所からの反響もあって、本当にうれしかったです」

—WOWOWで「NBA」を放送・配信するに当たり、考えていることはありますか。

早川「WOWOWスポーツは、テニスもサッカーもボクシングも、ずっと長く続けています。なので、『WOWOW NBA バスケットボールをずっと続けていく!』という気持ちは大事にしたいです。“NBAに日本人選手は入れない”と、誰もが思っていたところに渡邊選手、八村選手が行き、それをWOWOWで放送できないことが、正直ずっと心に残っていたので、この先の新たな日本人選手も含めて、やっと追いかけられるなぁと、ホッとしています。

—そして、「WOWOW NBA アンバサダー」に渡邊雄太選手の就任が発表されました!

早川「はい、つい先日現地まで飛んで渡邊選手にお会いしてきたんですけど、『すごく光栄なことですし、もっと日本の皆さんにNBAを見てもらいたいと思っている中で、こういう機会をいただけたことで、ますます自分も頑張らなくてはいけないと思います』とコメントをくださって。
急なスケジュールだったにもかかわらずとても真摯に対応していただき、感謝の一言に尽きます。実は10年くらい前、渡邊選手が渡米する前のタイミングでほんの一瞬ですがお会いする機会があり、アメリカ挑戦の激励をしたことがあったんです。なんと、それを覚えていてくれたんですね。個人的にとてもうれしかったです。
今回撮ってきたインタビュー動画は全編WOWOWオンデマンドに上がっていますのでぜひチェックしてみてください! 渡邊選手のファンになること間違いなしですし、もともとファンだった人はより深くファンになると思います。シーズンの見どころも語ってくれています」

—以前放送していた時はNBA好きの著名人を「WOWOW NBAファミリー」と称してゲストに呼び、トークするなどいろいろな企画がありました。

早川「SNS上でも『NBAファミリー』のことを挙げてくださる方がいて、ありがたかったですね。これからの放送のことは絶賛体制構築中ですが、やはりこの5年間でNBAを見る方が増えたことは意識したいです。逆にWOWOWでNBAを放送していたことを知らない人も多いと思うので、以前とまったく同じことをやるのはどうなんだろう? という想いもあります。オンデマンドで見ることに慣れているファンにも、親しみをもって楽しんでもらえるようなものを構築していきたいと思っています。もちろん、以前からずっとWOWOW NBAを見てくださっているコアなファンの方には、『待ってました』と思われるようなレギュラー陣が登場する予定ですので、それも楽しみにしてもらえればと思います」
※最新情報は「WOWOW NBA バスケットボール」公式サイトで随時更新中

—実況・解説やトークゲストなどの人選で考えていることはありますか。

早川「実況・解説は、『試合を解説できる人』『NBAを語れる人』『バスケ愛のある人』にお願いしようといろいろ探しています。これまでのレギュラーの方はもちろん、新しい人にも声を掛けさせていただいています。
NBAは、『スポーツ』という枠だけにとどまらず、『カルチャー』だと思っているんです。映画や音楽も放送・配信しているWOWOWだからこそ届けられる『カルチャー』としてのNBAを広めていきたい。
例えば、試合会場のコートサイドにはいわゆるセレブが陣取っているんですが、ロサンゼルス・レイカーズだと俳優のジャック・ニコルソンやレオナルド・ディカプリオ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーやジェイ・Z&ビヨンセ夫妻。ニューヨーク・ニックスのコートサイドには、スパイク・リー監督というのがもはや名物化しています。まさにWOWOWがラインナップしている映画や音楽との親和性は非常に高いので、その辺りも絡めていきたいなと思っています。
コアなファンの方はもちろん、そのご家族だったりご友人だったり、“隣の人”であるファン未満の人たちにもNBAを好きになってもらえるような番組作りを目指したいですね」


「WOWOW NBAを見て育ちました」という人がたくさん出てきてくれるのが夢

—WOWOWのNBAはどのような構成になりそうですか?

早川「毎週5試合の放送では、八村選手や“キング”レブロン・ジェームズ所属のレイカーズ、渡邊選手のサンズ、ステフィン・カリーのいるウォリアーズなどの人気チームや昨季優勝のナゲッツなど、強豪チームの試合が中心になる予定ですが、それ以外の試合(WOWOWで放送・配信されないものも含めて)については、WOWOWオンデマンドでマッチハイライトを毎日上げていく予定です。複数の試合をチェックしたいというコアファンにも満足いただけるようなものを提供していきたいです。
前述の公式XやWOWOW公式YouTubeチャンネルでも情報を発信していく予定なので、ぜひフォローをお願いしたいです! ちなみにXは僕も“中の人”のひとりとしてポストしていく予定です。皆さまから届く声をしっかり拾って、番組作りに活かしていきます。
皆さまが求めているものをすくい上げて、われわれの想いや色をそこに入れて提供するのが、今の作り方だと思うんです。一緒に楽しみながら作っていくというのが目標です」

—最後に、早川さんの今後の目標や夢を教えてください。

早川「目標ということではないかもしれませんが、自分が子どもの頃、NHK BSでバスケ中継を夢中で見ていたんですよ。それと同じように『WOWOW NBAを見て育ちました』という人がたくさん出てきてくれるとうれしいなと思います。
もしかするとこれからの未来のNBA選手が見てくれる可能性もありますよね。そのためには継続していくことも大事ですし、子どもにも大人にも、何か“得るものがある”ような中継を行なっていきたいと思っています。
そして、そういう目標に向かって進んでいけるステージに立てたという意味では、今回、サブライセンスを提供してくださった楽天さんには本当に感謝しています。今後イベントなどファンが喜ぶようなコラボレーションもご一緒しながら、日本のバスケ界、NBAを盛り上げていけるよう頑張っていきたいですね。その上で、“WOWOWだからできること”を、コツコツとやっていこうと思っています」

「WOWOW NBAを末永くよろしくお願いします!」

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