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この夏話題となった山西惇、松下洸平ほか出演、こまつ座「闇に咲く花」、東京03の最新ライブほか。充実の11月の必見舞台!

こんにちは。WOWOW社員の福井です。今回は11月に放送される、WOWOWでしか見られない舞台、番組5作品(※)を取り上げます。
すごく見たい舞台でも、チケットが取れなかったり上演会場が遠かったりして生で見られないことってありますよね。WOWOWはそういった作品も映像で全国の方にお届けする存在でありたいと思っています。
本コラムも、舞台好きな皆さんの鑑賞をさらに豊かにする一助になれれば幸いです。(注:見どころに触れている箇所もあります!)コメント欄もご利用いただけまーす♪
(※執筆時点でDVD等は確認できない、放送時期に字幕ありで見られるのはWOWOWだけである作品、など)
トップ画像:こまつ座「闇に咲く花」作 井上ひさし 演出 栗山民也 出演 山西惇 松下洸平 浅利陽介/撮影:宮川舞子
10月の必見舞台・番組7本はこちら
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【Don't miss out! 11月のWOWOW舞台・番組5選】

①東京03 第25回 単独公演「寄り添って割食って」11月4日(土)午後10:00

 東京03は2003年に飯塚悟志と豊本明長が結成していたお笑いコンビ「アルファルファ」に、元「プラスドライバー」(お笑いユニット)の角田晃広が加入して誕生したお笑いユニットです。今年は20周年。先日、20周年記念ライブを開催していました。長く愛されています。
 今回、WOWOWがお届けするのは、今年5月から東京・地方を回った第25回目の単独公演「寄り添って割食って」です。東京03といえば、チケット入手困難な単独ライブ。新しいコントを毎年何本も見られる、というだけでファンにとってはうれしいのですが、ネタと一緒に楽しめる映像も充実しているのが醍醐味。ホワイトボード風のストーリー映像から、SNSのやりとりを再現したようなもの、そしてオリジナルのミュージックビデオ…と、レベルの高い作品になっています。各コントと映像に関係性はあるのか、そんなことも気になる構成になっています。
 3人のポジションはあまり変わっていないようでいて、時に意外性が出てくるのもポイント。例えば、飯塚はツッコミ担当が多いイメージですが、たまに感情の変化が激しい人物を演じてネタを動かしていく存在になります。「今回はそういう役割なんだ!」といい意味で裏切られることがあるのです。加えて今回は個人的に「東京03ってこういう方向のネタもやるのか」と新たな色を感じるコントがありました。21年目以降の03も、まだまだ新しいコントを見せてくれるというドキドキ・ワクワク感を覚えました。
 一本一本のネタの尺は十数分(もっと長尺のものも!)です。オフィスやお店での何げない会話から関係性やそれぞれのキャラクターが見えてきて笑えてくる、自分のこれまでの生活でもちょっと覚えがあるようなおかしさ、気まずさ、恥ずかしさが見えてくる…そんなコントだと思っています。年代問わず全世代が一緒に楽しめるのではないでしょうか。
 ドラマやラジオでの活動もますます広げている3人の個性が光るコントをお見逃しなく!

「東京03 第25回 単独公演「寄り添って割食って」」の詳細はこちら

②こまつ座「闇に咲く花」作 井上ひさし 演出 栗山民也 出演 山西惇 松下洸平 浅利陽介 11月25日(土)午後7:00

撮影:宮川舞子

 井上ひさし作「闇に咲く花」。11年ぶりに再演されました。

昭和22年夏、東京・神田。ひとり息子の健太郎(松下洸平)を戦地で失った愛敬稲荷神社の神主・牛木公磨(山西惇)も、今では近くに住む5人の未亡人たちと組んで、闇米の調達に奔走している。そんなある夏の日、死んだはずの健太郎が帰ってきた。人びとは再会を喜び合うも、健太郎の背後には黒い影が忍び寄っていた……。

 花とは何のことか、つい考えてしまうタイトルではないでしょうか。
 セットは基本的に愛敬稲荷神社のものなのですが、人々が話しているのは長い間にわたる歴史、神社の外の遠くで起きていることに及びます。
 メッセージは真っすぐに刺さるものです。自分の考えや意思を持ち続けることの難しさと大切さについて考えさせられました。
 観る前は、静かなお芝居なのかなと想像していました。ところが、冒頭から闇米の調達に悪知恵(?)を働かせる神主と女性5人の会話がとてもテンポよく進んでユーモアもたっぷり。良い意味で驚かされました。
 松下洸平演じる健太郎は、父親思いで、うそをつかない、野球の球を投げるようにしっかり真っすぐ考えを伝える人。強いメッセージを含む長いせりふがあるのですが、「健太郎はこういう過去の体験があるからこの言葉を選んだのかな」「今、言いながら幼少期や戦時中のこんな経験が思い出されているのかな」などなど、想像させられました。
 神主も、息子への深い愛情を抱いている人で、自然と周囲に人々が集まってくるキャラクターだと思います。作品を通して愛敬稲荷の存在を考えていく役どころで、彼の視点で物語を見ることが多かったです。
 2人の会話も、浅利陽介演じる稲垣や女性たちを交えた集団の話し合いのシーンも引き込まれます。
 舞台と合わせて山西惇と松下洸平のインタビュー対談もお届け。
 こちらも皆さまに楽しんでいただけるお芝居だと思いますのでぜひチェックしてくださいね!

「こまつ座「闇に咲く花」作 井上ひさし 演出 栗山民也 出演 山西惇 松下洸平 浅利陽介」の詳細はこちら

 このほかにもコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」(2021) 中村勘九郎×中村七之助×尾上松也」(11月19日(日)午後2:45)、「THE BEE」演出:野田秀樹 阿部サダヲ×長澤まさみ×河内大和×川平慈英」(11月24日(金)午後9:00)、6月の初放送で大変ご好評いただいた、内野聖陽と瀬戸康史が出演する三谷幸喜「笑の大学」」(11月26日(日)午後3:30)ほか、多くの作品の放送・配信が予定されています。

【WOWOW舞台全一覧】

以下からご覧いただけます!

【終わりに】

 最近プライベートで見た作品のなかで印象に残ったのは、ミュージカル「アナスタシア」、「アメリカの時計」、「ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~」、ぱぷりか「柔らかく搖れる2023」、「KOTATSU」などです。
 今月も、もう一度見たい作品がある皆さまも、劇場に見に行けなかった作品がある皆さまも、WOWOWステージをお楽しみいただければ幸いです。

【福井プロフィル】
入社5年目。
「ガラスの仮面」よろしく学校劇でお芝居が好きになり、高校ではミュージカル部、大学では舞台演出と劇場の仕事を勉強しました。アイルランドとロンドンへ留学をしたり、今も劇団での活動をしたりしています。観劇数は年に80~100本ですがまだまだ勉強中ジャンルもたくさんです。
<Key words>
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最近のベスト>
『千と千尋の神隠し』、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出の『ガラスの動物園』、『笑の大学』、SPAC『天守物語』、『兎、波を走る』
<お勉強中>
オペラ、宝塚、2.5次元舞台、落語など

舞台好きが高じて、このようなコラムに挑戦します。「まぁやってみなさい」と言ってくださった先輩方に感謝…。WOWOWをご覧の舞台好きな皆さんと共感し合えることがあれば、という願いを込めて。お楽しみいただければ幸いです!

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