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【WEST.スペシャルインタビュー 前編】オリジナルライブの放送・配信を前に、メンバーが熱い想いをたっぷり語る

今年デビュー10周年を迎えたWEST.。彼らとWOWOWがタッグを組み、2カ月連続でスペシャルコンテンツを放送・配信する。10月26日(土)は、WEST.にとって今までにないコンセプトで挑んだオリジナルライブWOWOW presents WEST. 10th Anniversary Live "W"、そして11月は、そのオリジナルライブの裏側に密着したBehind The Scenes - WEST. 10th Anniversary Live "W"をお届け。このWEST.10周年記念特集に合わせて、メンバーにインタビューを実施。新たな試みに挑戦した彼らに、今の想いなどを前・後編でたっぷり聞いた。
※インタビューは一部ライブのセットリスト等に関するネタバレを含みます

インタビュアー:川倉由起子

―今回の“新たな試み”を聞いた時の感想はいかがでしたか?
 
中間淳太 実際にやっているライブを収録するのではなく、今回のために作ったパフォーマンスを映像作品にするということで。演出を担当してくださった映像作家の丹(修一)さんが「大人なWEST.を見せたい」とおっしゃっていて、自分たちでは思い付かないようなパフォーマンスのイメージも最初の段階で細かく伝えてくださったので、純粋にワクワクしました。
 
重岡大毅 ライブを誰かに演出していただくということを、僕らは今まであまりやったことがなくて。そこがまず面白そうだと思いました。ライブは僕らWEST.が主戦場としている場ですし、丹さんが映像に込めようとしている熱い想いも伝わってきたので、全力で楽しめたらなって思いました。
 
―ライブの構成や演出は、基本的に丹さんを中心とした制作サイドからの提案と伺いました。セットリストや演出プランはどのように感じましたか?
  
濵田崇裕 メンバー全員がまず「これはやったことがない、見たことがない」って思ったと思う。

小瀧望 すごく真っすぐなライブというか、ストレートな曲が多い感じもしたかな。僕らっぽい、ちょっとチョケてる感じの曲は「コンビニ行くけどなんかいる?」ぐらいで。しかも僕たちのライブは普段、テンポ感を意識してワンハーフの尺でやることが多いんですけど、今回はフルサイズのパフォーマンスでたっぷり楽曲の良さを伝えられてて。そこも新鮮で印象的でしたね。

桐山照史 フルサイズではレコーディングぶりに歌ったような楽曲も多いので、2番を歌い始めたらちょっとだけ緊張したWEST.になっているかもしれないですね。

藤井流星 だいぶ懐かしい曲もあって、そういうのはデビュー10年の今だからこその成熟した姿も見てもらえるのかなって。ファンの方もきっと喜んで見てくれるんじゃないかと思います。

中間 ずっと応援してくれてる方なんかは特にな。 

濵田 演出に関しては、丹さんは基本「好きなようにやってください」というスタンスで。それがすごくやりやすかったし、完成した映像を見た時もみんなすごくいい表情をしてた。バンドコーナーとか全員で輪になって、いい意味でカメラも意識してない。

神山智洋 今回、新たにアレンジしていただいた楽曲もあって、今までライブで何度も披露してきた曲でも自分たちとの捉え方が違いました。丹さんは生バンドにすごいこだわりを持ってらっしゃって、それをバックにしたパフォーマンスでもWEST.の音楽の魅力や幅というものを最大限に引き出していただけたんじゃないかと思います。

―収録中、特にテンションが上がったポイントや印象的だったシーンはありますか?
 
重岡 始まりからいつもと全然違いました!
 
小瀧 そうね。すごく素敵な照明で、わりと狭い空間で歌ってるんですけど、「カメラを見たりせず、1人の男がたたずんでる感じでおのおのの世界観の中で歌ってほしい」とオーダーを頂いて「そっちか!」と。普通に7人で自由にやってたらそういう絵は撮れてないと思うので新鮮でした。

桐山 カメラさんの方向に向かって歌うことを、僕たちはそうやって育ってきたけど、今回はカメラさんもどこを撮影しているか分からない状況で撮影してもらって。バンドさんと僕らの空気感の中で撮影させてもらったのはテンション上がったし、印象的なシーンでした。
 
神山 「ハート」という曲では、我々の後輩である関西ジュニア・伯井太陽くんが僕らの前で1人で踊ってるんです。振り付けは彼が自分で作ってて、コンテンポラリー調のダンスで、「夢追い人や頑張ってる人たちの背中を押す」というテーマで表現しました。現場では伯井くんのパッションや高いスキルを感じたし、度胸もすごかったですね。僕らの曲が伝わるのと同時に、いろんな人に「こういう子がいるんだ」って伯井くんの魅力も知ってもらえるきっかけになるといいなと思います。メンバーも全員、「ハート」はリハーサルから熱が入ってて。熱くてキレイな世界観になったんじゃないかと思います。
 
中間 伯井くんに対してメンバー(のみんな)が真っすぐ応援してる表情とかもいいよね。僕らは「ウォーウォー」って言うてるだけなんですけど、自然と拳を突き上げるメンバーもいたりして。すごく熱のある空間で撮影ができたと思います。あとはやっぱり、さっき神ちゃん(神山)も言ってたんですけど生演奏の部分ですね。いろんな楽曲が、今までとは違うピアノの音から始まったりしてて。音源とはみんなの歌い方も違うし、より一層その世界に入れた気がします。
 
神山 やっぱり音源と生演奏は違うよね。演奏に対して僕たちがレスポンスしながら歌ったり、逆に、僕らの歌に合わせて弾いてもらうっていう瞬間もあったりして。その場その場で生まれるグルーヴ感みたいなものは今回大いに感じました。ちなみに「証拠」では、普段のライブではやらない、円で向かい合って歌う見せ方をしてて。ライブとはまた違う7人の熱量のぶつかり合いがかなりあったんじゃないかと思います。
 
―ライブでバンドを背負ってやるのと、今回のようなスタジオ空間での生演奏はまた違いますか?
 
重岡 全然違います。僕ら、無観客ライブは過去にやったことがあるんですけど、客席があってそこにお客さんがいないっていうのとも今回はまた違って。僕はいつも通りのライブをやる感覚で臨みましたけど、映像のプロの皆さんにそれをどう料理していただけるのか…。きっと面白いものになると思います。

―3ポーズ用意されているという衣装のポイントも教えてください。
 
神山 グランジ、ブラック、スポーティーの3つかな。
 
藤井 グランジの衣装はロックのシーンが多いのかな。普段のライブも「バンドの曲は着たい服を着よう」っていう精神でやってるから、そこも共通してて良かったなって。
 
重岡 俺は今まで衣装に関してはあまり言ったことがなくて。服のこと、よく分かんないから(笑)。ただ今回、グランジで用意していただいたTシャツが心臓のイラストで。あ、そっかぁって(笑)。俺ってこういうイメージなんやって思った(笑)。うれしいけどね。
 
藤井 それぞれのキャラが出てると思うよ。
 
濵田 俺はそれこそグランジの自分の衣装がホンマに好きで。ジャケットとか買い取りたいレベル。ずっと言ってる、衣装さんに。「これめっちゃいい」って。
 
重岡 ちょっと待って。ずっと言ってるってことは、買い取らせてもらえてないの?(笑)

濵田 いや、「買い取ります」というのを俺がまだ言ってない。

重岡 そういうことね(笑)。
 
濵田 これがメインのビジュアルやポスターになるって聞いてうれしかった。

中間 「King of Chance」とかで着てる黒ジャケットはカッコいいよね。
 
濵田 ガラッと雰囲気が変わる感じがある。
 
神山 黒い衣装ってどうしても背景と同化しちゃうんやけど、今回、かなりいいカメラで撮ってくださってるからかちゃんと濃淡が出てるのがすごいと思った。
 
重岡 へぇー。俺、濃淡とか考えたことなかった(笑)。でも確かに、すごいレンズで撮ってくれてたよな。
 
濵田 めちゃめちゃ太いレンズ。だいぶ遠くの方でも撮るんかなっていうぐらい。
 
藤井 「コンビニ行くけどなんかいる?」の辺りはリメイク系のスポーティーな衣装やね。ほかの2つが大人っぽい雰囲気やったから、これは妙な安心感があった(笑)。やっぱり、「ええじゃないか」から始まったグループやから。
 
小瀧 スポーティーは俺も好き。最近のフェスもあんな感じの服で出てるし、今の僕らっぽいというかね。パブリックイメージ的にも合ってるのかなって思う。「楽しそうなヤツら」みたいな。でもホンマに3ポーズともそれぞれ印象が違うから、曲もそうやけど衣装の細かいところもファンの方は楽しめるのかなって思う。

―今回の経験を通して得たものや、今後のライブで生かせそうなことはありましたか?
 
桐山 本当に楽屋の中で歌っているような世界観があって、今後もうまく出していけたらいいな。

藤井 結構前の曲とかも今回やってるんですけど、その反応次第では今後のライブのセットリストに入ってくる可能性もあるなって。僕ら今10周年のライブをやってて、久しぶりの曲を歌うと「こんなに反響あるんだ!」みたいなのがあったりするんですよ。人気だろうとは思ってたけど、え、そこまでやったんか!っていう意外と気付かない曲もあったりするので、公開した後の反応が気になります。
 
重岡 収録を終えた後に丹さんやスタッフさんと話してて、みんなが「また撮りたい」とか「WEST.でまた何かやりたい」って言ってくれたんです。僕はその言葉に尽きると思ってて。あとは以前からちょっと思ってたことなんですけど、音楽というものを通して僕らグループはコミュニケーションが取れるようになってきたなって。お客さんに伝えたいこともたくさんあるし、まだまだ見せられる世界がある。そういった中で、今回はガソリンを注入された感じもしてます。
 
―改めて、この10周年のタイミングで映像のライブ作品を届けるということにどんな意義があると感じますか?
 
重岡 今までもいろいろ映像で届けてきたコンテンツはあると思うんですけど、今回は規模感が違う。現場に入った瞬間、すごい数のスタッフさんがいてメンバーは空気で察したんですよ。「ヤバイ、ヤバイ」って(笑)。何が言いたいかと言うと、今回はWOWOWさんで扱っていただくということで、今まで僕らを見たことのない人にも届くぐらいの規模のデカさなんかなって。僕はそこがホンマにうれしいです。なおかつ自分たちがやりたいことをやらせていただけて、熱量を注ぐこともできたので。メンバーはもちろん、僕らに長年携わってくれてるスタッフさんもチーム一丸となって、みんながいろんなことを思い、臨んだ映像のライブだと思います。

桐山 10周年だからというよりも、やっぱり映像で何かを残せる、人生のアルバムっぽい感じなので、こういう作品として残るってことがすごくうれしいです。

―コロナ禍では無観客の配信ライブも経験されました。そういった時間もある種の成功体験として自信につながっていますか?
 
重岡 そうですね。コロナ禍での経験もそうですし、それで言ったらデビューから今までのことが全て力になってます。全部を力に変えてこれてると思うし、これからも変えられるし。本当に、意味のないことは一つもなかったなって思います。これまでの活動を振り返って、ちゃんと実体験として感じられた上で、はっきりと今そう言えますね。

―今後、WEST.でさらに挑戦したいことはありますか?
 
中間 濵ちゃん、何やりたい?
 
濵田 あ、僕いいっすか?
 
小瀧 逆に濵田でいいですか?
 
―もちろんです(笑)。
 
濵田 今のところまだ10メートルぐらいしかバンジーを飛んでなくて。だからもうちょっと高い…。
 
神山 それ、個人(の話)!(笑)
 
重岡 時間ないねん(笑)。
 
濵田 実はさっき丹さんとしゃべってて。もし今後またやらせていただけるのであれば…というのを個人的に言わせてもらったんです。
 
藤井 何言うたん?
 
濵田 ライブでやってるアコースティックコーナー。あの空気感は、僕はライブでしかないと思ってて。それを映像のライブで届けたいなと。「円になって、楽器同士向き合ってやりたいんです」ってお願いしました。
 
小瀧 確かに、ライブのリハでも円になってやったことない。
 
濵田 本番でもないし、リハでは鏡に向かって一列。いつもモニターに抜かれてるみんなの表情を見ながら「あ~、ええなぁ」って思って歌ってるから、全員の顔を直接見てアコースティックをやりたいなって。実際にできたら、アイコンタクトとかでテンポがちょっと速くなったり、逆に遅くなったり、アドリブも入ったりしそうやなって。

中間 歌だけじゃなく音も自分たちで作ってるのがアコースティックのコーナー。確かに、濵ちゃんの案はみんなでやってる感がより出そうやな。
 
濵田 僕自身もいつも「歌の表情」っていうのは意識してて。今やってる10周年ツアーでも、例えば、メンバーが作ってくれたある曲では表情を毎回変えてる。ちょっと違うテンションで歌うだけでもまた違う歌に変わっていくから、そこを勝手に楽しんでます。

桐山 アコースティックならではのリズムで変わってくるから、違う楽曲にも聞こえたりするからね。あと、大人な感じでファンミーティングみたいなこともしてみたい。
 
―今回の放送・配信でWEST.のパフォーマンスを初めて見る人もいると思います。自分たちのライブの魅力や、いつもどんな想いをステージに込めているか教えてもらえますか?
 
中間 歌詞を自分たちにも向けて歌ってるところが強みというか。僕らはデビューから一歩ずつ歩を進めてきたグループなので、そういう中で生まれた想いも込めてるし、葛藤を乗り越えてきた今だからこそ自分たちでも染みるし、メンバーの歌ってる姿を見て勇気をもらうんですよね。「証拠」とか「ハート」とか、熱い系の曲の印象がWEST.は強いよねって言ってもらえるのもそういう理由じゃないかと思います。
 
重岡 僕たちはバンドの曲をやってるけど、誰も楽器を持ってなくて7人全員ボーカルなんです。それって異色やと思うし、最近フェスとかに出てても手応えを感じるんですけど、熱量の中に笑いというか、笑顔も届けられてるんじゃないかなって。そこは自分たちでもすごく好きなところで、唯一無二っていうふうに僕は思ってます。うまく言えないんですけど、僕がライブで表現したいのって“人生そのもの”なんです。熱い時や笑う時もあれば落ち込むこともある…っていうのを全部まるっとステージに詰め込みたい。それを今、僕はWEST.でやれている気がしますね。

桐山 歌詞を届けたい!エネルギーを届けたい!って思ってますが、見て頂けたらステージに込めているものが分かると思うので、ながら見でもいいので、一度再生ボタンを押してみてください!

【WEST.スペシャルインタビュー 後編】に続く


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