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安田菜津紀「観て、学ぶ。映画の中にあるSDGs」

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SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットにて全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す1… もっと読む
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#実話

動物と共に生き、向き合う上での倫理とは?――1本の映画から学ぶ

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、片野ゆかのノンフィクション『北里大学獣医学部 犬部!』(ポプラ社刊)を原案とし、篠原哲雄監督が実在したサークルを描いた映画『犬部!』('21)。  獣医学部生たちや動物保護に関わる人々の葛藤を通して、保護犬や保護猫、殺処分を巡る問題を描き、「命」に向き合うこの作品を、SDGsの「目標12:つくる責任 つかう責任」の視点を交え考えていきます。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 小学校の

50年たっても終わっていない「ブラックリスト事件」――表現の自由を守る一助になるのは、世界からの目のはずだ

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、1979年に韓国で起きた朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の暗殺事件を基にした実録サスペンス『KCIA 南山の部長たち』('20)。  劇場公開後の反響は大きく、2020年韓国年間興行収入第1位を記録。第56回百想芸術大賞で主演男優賞(イ・ビョンホン)を受賞しています。朴正熙氏の長女である朴槿恵(パク・クネ)大統領時代も振り返りながら、当時から今に続く社会が抱える問題を、SDGsの「目標5:ジェンダー平等を実

愉快で魅力的で、常識にとらわれない自由な女性“パピチャ”――1本の映画タイトルに込められた想いを知る

文=安田菜津紀 @NatsukiYasuda  今回取り上げるのは、アルジェリア出身のムニア・メドゥールの長編監督デビュー作『パピチャ 未来へのランウェイ』(’19)。主人公を演じたリナ・クードリが第45回セザール賞有望若手女優賞に輝いた作品です。  厳しい時代を生きながら、女性への抑圧に力の限り抵抗する主人公たちの魂の叫びから、SDGsの「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」を考えていきたいと思います。 (SDGsが掲げる17の目標の中からピックアップ) 解放されて