岸井ゆきのの“頼もしさ”—独自性の高いキャラクターに命を吹き込む彼女を紐解く
文=SYO @SyoCinema
表現者にとって、“代表作”に出合えるかどうかは活動上の生命線ともいえる。ブレイクするきっかけにもなるだろうし、転機や原点にもなり、時には越えなければならない壁にもなるだろう。何にせよ、代表作は必殺技みたいなもので、あるのとないのとではその後の人生が大きく異なる。往々にして代表作は自分だけでなく他者も含めた得票数で決まるため、ある種の総意ともいえるだろう。
俳優・岸井ゆきのにおいては、やはり『ケイコ 目を澄ませて』がそれにあたるはずだ。