広瀬すずの真骨頂。『流浪の月』で痛感した、“嘘のつけない”演技の在り方
文=SYO @SyoCinema
日本屈指の実力者でありながら、“固まることのない”俳優・広瀬すず。映画やドラマといったフィクション=嘘を描き続ける分野で、彼女の気質は「嘘がつけない」もののように感じる。画面の向こうにいる彼女の一挙手一投足は、精緻に作り込まれた“技術力の結晶”というよりも、再現性が低い“魂そのもの”、いわばその瞬間の生きざまを写し取ったもののように見えるのだ。
もちろんカメラの前で演じる以上技術は伴うものだし、筋肉の動かし方や他者が作ったセリフを自分