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スピードワゴン・小沢「このセリフに心撃ち抜かれちゃいました」

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映画を愛するスピードワゴンの小沢一敬さんが、映画の名セリフを語る連載「このセリフに心撃ち抜かれちゃいました」 毎回、“オザワ・ワールド”全開で語ってくれるこの連載。映画のトークで…
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人間って24時間、365日、ずっとカッコいいわけないんだよ。でも、カッコよくなくてダサいからこそ美しいんだよ。――小林聡美主演『ツユクサ』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回の作品は、大人のラブストーリーを描いた『ツユクサ』です。 小沢一敬(以下、小沢)「この映画さ、確かに“大人の恋愛”みたいな語られ方をしちゃうと思うけど、俺はそうは思ってなくて。もちろん、大人の恋愛の話も出てくるけど、全体としては、何もない日常を描いた作品だよね。何も起きないんだけど、でも毎日、何かが起きてるのが人生、みたいなことを描いてる。よく『恋をしたいけど、出会いがない』みたいなことを言う人がいるけど、それは映画のよう

「コンフィデンスマン」って、ある意味では漫才師かコント師かも――長澤まさみ主演『コンフィデンスマンJP 英雄編』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、人気ドラマとして始まった『コンフィデンスマンJP』シリーズの映画版第3作となりますが。小沢さんは、このシリーズをご覧になったことは? 小沢一敬(以下、小沢)「うん。ドラマ版は、たぶん全部観たと思う。俺はあんまりドラマを全部観たりしないんだけど、全部観た数少ない作品の一つだね。それだけ好きなドラマだったから」 ──このシリーズのどんなところがお好きですか? 小沢「単純に楽しい作品だよね。毎回ちゃんとオチもあって、伏線

人生に折り返し地点なんてないんだよ。――ピスタチオ、スリムクラブ、友近らも出演した『老後の資金がありません!』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──前回が毎月連載のラストで“感動の最終回”という感じだったのですが、早くも戻ってきちゃいました。 小沢一敬(以下、小沢)「うん。最終回っぽくきれいにまとめて終わったはずなのに、なぜ早々に復活したかと言えば、この仕事がなくなると俺の老後の資金がありません! ってことだよ。老後の貯蓄のためにまだまだ働かなきゃいけないから、恥ずかしながら帰ってまいりました(笑)」 ──まさか、そんなわけはないんですが(笑)。今後も不定期連載にてよろ

後悔のない人生なんて絶対にないから。あるとしたら、それは人生の醍醐味を知らない人だと思うよ。――山田洋次監督作品『キネマの神様』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、日本映画の『キネマの神様』というチョイスでしたが、いかがでしたでしょうか? 小沢一敬(以下、小沢)「うん、期待してた以上に良かったね。まあ、いろいろと話題になってた映画だったんだけど、俺はまだ観てなかったから。このタイミングで観られて良かったと思う。WOWOWを観てる映画好きの人たちは分かってくれると思うけど、この映画って、俺らの世代とかもっと上の世代の人が知ってる昭和の古い映画の匂いを再現してるじゃん。その匂いをこの

思い出話に花を咲かせるのなら、未来の花の種をまいたほうが良くない?――『レミニセンス』を観てスピードワゴン・小沢さんが心を撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回のチョイスは、ジョナサン・ノーランが兄ノーランと極めた時間軸マジックをさらに進化させた圧倒的な記憶世界で話題を集めたハリウッド大作です。記憶に隠されたトリックが斬新でした。 小沢一敬(以下、小沢)「うん。面白かったね。映像も設定も世界観も、俺の好きなタイプのやつだった。SF映画でありながら、ちょっとハードボイルドというか、今の時代のフィルム・ノワールっていう感じで」 ──もっと肩肘張って観る難解なSF映画かと思ってたんで

『ドロップ』の監督が『リスタート』で描く道徳性。――品川ヒロシ監督の『リスタート』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、品川庄司の品川祐さんの監督作品『リスタート』ですが、品川ヒロシ監督の映画はこれまでの作品もご覧になってましたか? 小沢一敬(以下、小沢)「うん、ほぼ観てるし、どれも好きな作品ばっかり。この『リスタート』も映画館で観たし。俺はさ、監督を目当てで映画を観ることはあまりないんだよ。北野武さんとか松本人志さんの作品は別としてね。そういう中で、品川君の映画だけは、『品川監督が何かを撮るなら観よう』って、いつも思ってるの」 ──

西野は素敵なやつだし、そんな西野が作ったこの作品も、やっぱり素敵な映画だよ。――『映画 えんとつ町のプペル』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、キングコングの西野亮廣さんが原作、脚本、製作総指揮を務めた『映画 えんとつ町のプペル』ですが、小沢さんは初見だったんですか? 小沢一敬(以下、小沢)「いや、映画館でも観たよ。だから、途中から思い出したの、『あ、これ、めちゃくちゃ泣ける映画だったわ』って。そういえば最初に観たときにも驚いたんだけど、プペル役の声優が窪田正孝君で、ルビッチ役が芦田愛菜ちゃんだって、全然分かんなかったよね。アントニオ役の伊藤沙莉ちゃんとかも」

『オザは、このときどんな気持ちだったの?』って聞かれたとき、俺が言った一言もこれだった。それが俺のやり口なの(笑)――『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回はフランス映画をチョイスしていただきました。 小沢一敬(以下、小沢)「うん、すごくいい映画だと思うし、面白かった」 ──今回もよろしくお願いします。 小沢「まず最初に俺が気になったのは、ピアノ演奏のシーンで。実は最近キーボードを手に入れてさ、今年のお正月ぐらいからピアノの練習をしてるのよ。練習っていっても、気持ちの上で、なんだけど」 ──気持ちの上で、とは? 小沢「いや、それは1年後に『全然できなかったじゃん!』っ

俺のいる芸人の世界も、ちょっと似てるのかなって。真の芸能人なんて――『あのこは貴族』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は昨年公開されたばかりの『あのこは貴族』ですが、この作品を選んだ理由は何かありましたか? 小沢一敬(以下、小沢)「この前、映画の『浅草キッド』('21)を観たばっかりだったから、門脇麦さんの出てる作品を観たかったの(笑)」 ──門脇麦さん、良い作品ばかり出てますね。この作品はいかがでしたか? 小沢「すごく面白かったから、映画を観た後で、原作小説まで読んじゃったよ」 ──ホントですか。小説版も気になりますよね、映画を観

漫才にだって、リアリティより大切なデタラメさってものがあるのよ――『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回の作品は、約30年前に公開された『ビルとテッドの大冒険』('89)、『ビルとテッドの地獄旅行』('91)に続くシリーズ第3作なんですが、昔の作品はご覧になったことはありましたか? 小沢一敬(以下、小沢)「いや、続編だってことも知らないで観たんだ。映画の途中で、たぶん続編なんだろうなって気付いたけど」 ──ただ、前の作品を観てなくても楽しめる作りになってましたよね。 小沢「そうそう。観てればなんとなく話の流れは分かったし

“完璧”じゃないから好きなのかもしれない――『100日間のシンプルライフ』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は、なぜこの作品をチョイスされたんでしょうか? 小沢一敬(以下、小沢)「最近、コロナ禍で巣ごもりの時期が続いて、家にいる時間が増えたら、家の中に荷物が多いなぁって、いつも思っててさ。Twitterにも、よく『断捨離したい』って書いたりしてたから、この映画の設定に興味を惹かれたんだよね」 ──小沢さんの断捨離は、結局は進んだんですか? 小沢「2年くらい前に、段ボール6箱分ぐらいの本を後輩たちにあげたんだけど、ここ2年で、

周りの人をハッピーにするために、『やっぱり俺も、いつでもヘラヘラしていたいな』と思ってさ――『くれなずめ』を観てスピードワゴン・小沢さんが心撃ち抜かれたセリフとは?

取材・文=八木賢太郎 @yagi_ken ──今回は『くれなずめ』ですが、小沢さんが以前から楽しみにされていた作品だと聞きました。 小沢一敬(以下、小沢)「そう。これさ、今年の春に公開されたばかりの映画でしょ。そのときに観てきた友人たちが、『不思議な映画だから、みんなで観た後に、それぞれの感想を話し合って、答え合わせしてみたくなる』って言ってたの。だから興味を持ってたんだけど、劇場では見逃しちゃって。そうしたら、こんなすぐにWOWOWさんで観られるってことで、すごく嬉しか